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処女地
「処女地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
処女地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
いの小屋をかけたのだった。 開墾地として選定されていた場所は、原始林に囲まれた
処女地だった。幅三十町、長さ五十町ほどの荒れ野原《のっぱら》の一部分だった。萩と....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
して夫がみずからは文学的な「非常識」屋だというのだ。 ショーロホフの『開かれた
処女地』には、共同農場に於ける小家畜(禽)共有の失敗が詳しく描写されている。勿論....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
ムの世界には前人未到の領域がまだいくらでも取り残されている見込みがある。そうした
処女地を探険するのが今の映画製作者のねらいどころであり、いわば懸賞の対象でなけれ....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
いいわゆる日本主義の体系が恥をかいても、この日本主義はまだ文学思想界に向かっては
処女地をもっていたわけである。そこで文学外で恥辱を受けた日本主義は、今度は文学内....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の力と健康の力と精力とが充満しているように見えた。これらの特質はその多量を彼女の
処女地帯の内に制限せられ、圧縮せられ、なおかつ強く引きしめられているのである。 ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
場へ通う人々――女が道ばたで石を割っている。道路工事だ。 セイロンはまだ巨大な
処女地の感がある。 私の足もとの池にはこうして水蓮の花が浮かんで、野には、雲の....
「発掘した美女」より 著者:坂口安吾
現す心配がないばかりか、ことによると、彼ですらも何かの新発見ができるかも知れない
処女地のようであった。 一夫もそれをきいて、よろこび、 「温泉旅館は必ずあるん....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、真珠船が集ってくると忽ち老貝は採りつくされてしまうから、まだ潜水夫のくぐらない
処女地へ一足先に潜るために船主は場所を争うのである。 昇龍丸の発見した海底に於....
「地上」より 著者:島田清次郎
広大さに、放浪の草鞋を脱ぎ捨てたのがこの村の草創であった。耕すに比類のない豊かな
処女地、
処女地に潜む新鮮な生産力、――しかし何分にも一群の人数が少なすぎた。人間....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
し所に湧きでるが、密林が深く夏場は分け入るのに困難だ。しかし、一度分け入れば悉く
処女地である。二間の竿に、二尺の道糸をつけ、落ち込みに餌を下げると、文句なしにグ....
「採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
京成電車の沿線にひろがっている林や芒原は、いまだ全く手がついていないから、いわば
処女地だ。そこには必ず蜂の巣が、又か又かというほどあるだろう。 さらに、かつて....
「明暗」より 著者:岡本かの子
いのか黒いのかさえよくわきまえていなかったのに智子はまず驚いた。誰も、この暗黒の
処女地へ足を踏み入れた者はなかったのである。この
処女地もまた暗黒の世界をそのまま....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
領分があって、この領分は応挙や探幽のような巨匠がかつて一度も足を踏入れた事のない
処女地であった。縦令この地域は狭隘であり磽※であっても厳として独立した一つの王国....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
の開拓者であるが、これらは鍬を入れてホジクリ返しただけで、真に力作して人跡未踏の
処女地を立派な沃野長田たらしめたのは坪内君である。 有体にいうと、坪内君の最初....
「「はつ恋」解説」より 著者:神西清
)、『その前夜』(一八五九)、『父と子』(一八六一)、『けむり』(一八六七)、『
処女地』(一八七一)と続く彼の代表作の系列の中にも、もちろんその時代々々のニュア....