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処女航海
「処女航海〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
処女航海の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
の中に恐る恐る立ったなり、白い三角帆《さんかくほ》を張った帆前船《ほまえせん》の
処女航海をさせていたのである。そこへ客か何か来たのであろう、鶴《つる》よりも年上....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
当時、この国では初めて二隻の新艦を製し、清輝、筑波と名づけ、明治十二年の春にその
処女航海を試みて大変な評判を取ったころである。なにしろ、大洋の航海術を伝習してか....
「孟買挿話」より 著者:吉行エイスケ
ンから響いてくる音楽と歓談の声を聞いた。私をケビンに案内した部屋ボオイは室蘭丸が
処女航海でそのために当夜は盛大な宴が開かれている事を告げて私の出席を求めるのであ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
っこう見当りません。 でも、七兵衛はガッカリしませんでした。何しても前例のない
処女航海ではあり、極めて大事を取って船をやるから、到着の期限は存外長引くかも知れ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。 大和を最も憎んでいたのは、通辞の今村善光だ。彼は元々船員ではない。海外への
処女航海というので、通訳方に雇われたインテリで、この船内では唯一人の文化人であっ....
「氷れる花嫁」より 著者:渡辺温
二人は勿論恋人同志だったから、深く愛し合った。 7 出帆。――注意、この航海は
処女航海である。 8 肥った船長。黒ん坊の運転士。大ぜいの水夫たち。 9 舵手―....
「沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
ドの船籍簿にはA1――いの一――の級別《クラス》に登録された当時最新式の優秀船、
処女航海を済まし、二度目に濠洲へ行った其の帰りだった。
処女航海は何事もなく終り、....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
贅沢な客船だった。総噸数四万六千三百二十八噸、甲板の延長五哩、建造費百五十万磅。
処女航海である。船客二千二百一人。この内救助されたもの僅かに七百十一人。救命艇は....
「汽船が太平洋を横断するまで」より 著者:服部之総
日だったが、天才技師ドナルド・マッケイの最初の作品スタッグハウンドは五一年二月の
処女航海に百十日で走り、彼の最大傑作フライング・クラウド(木造一、七九三トン)は....
「黒船前後」より 著者:服部之総
えた。 耐久力の上ではいうまでもないが、一八三四年に鉄造船ガリイ・オーエン号が
処女航海で暴風を喰った。ほかの木造船は完全に難破したがこの船だけは無傷だった。 ....