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「処方箋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

処方箋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放送された遺言」より 著者:海野十三
らなかったことだろう。何が彼らをいらだたせたか。もちろんそれは反対派の学者たちの処方箋どおりの筋書が効を奏したのにすぎない。それにしても彼らのいっせいに亡ぶべき....
復讐」より 著者:夢野久作
婦服を着て、キチンと腰をかけていた。彼女の前のセピア色の平面には、きょう出された処方箋や、薬品の註文の写しや、新薬のビラの綴じ込みや、カード式の診断簿等というも....
臨終まで」より 著者:梶井久
今頃行っても医者は往診で不在だから駄目だと言っても「さがして呉れ――自転車で――処方箋を貰って来て呉れ――」と、止切れ止切れにせがみました。弟はやむを得ず「よう....
死までを語る」より 著者:直木三十五
故《ことゆえ》、すぐに慣れたらしいが、病弱の私は、いつも、薄氏の所へ通っていた。処方箋に「△」の印がついていて、父は、これを指して 「宗一、これは無料という印や....
美しき死の岸に」より 著者:原民喜
り、ものなれた慎重な身振りだったが、鞄《かばん》から紙片をとり出すと、すらすらと処方箋《しょほうせん》を書いた。 「二週間分の処方をしておきますから、当分これを....
浴槽の花嫁」より 著者:牧逸馬
ができて、ロイドも安心するし、ベイツ医師も面目を施《ほどこ》したわけだ。型どおり処方箋《しょほうせん》を書いて、部屋へ帰って寝るようにいった。二人は辞し去った。....
「下じき」の問題」より 著者:宮本百合子
平についても考えられることではないだろうか。スタンダリアンであるこの作家の「私の処方箋」(群像十一月号)は、きょうのロマネスクをとなえる日本の作家が、ラディゲだ....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
技術学の第一の対象が道具乃至機械であることは云うまでもない。機械が自然科学の処方箋による通りのメカニズムによって運動するということも無論である。その意味に於....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
もないのだから、その懸想文のような結状を取って開いて見ると、それは道庵先生一流の処方箋でありました。 「もろこし我朝に、もろもろの医者達の出し申さるる薬礼の礼....
さまよえるユダヤ人の手記より」より 著者:寺田寅彦
れるというだけである。いつか診察を受けに行ったときに、先に来ていた一学生が貰った処方箋を見ながら「また、杏仁水ですか」と云ってニヤリとした。K氏は平然として「君....
反抗」より 著者:豊島与志雄
に行った。途中で郵便局に寄って、病軽し安心せよと横田へ電報をうった。医院へ行って処方箋を出すと、顔の大きな頭の禿げた薬局生が小窓から覗いて、御病人は如何ですかな....
明日」より 著者:井上紅梅
その上きくのも羞しくなった。その時何小仙の向う側に坐していた三十余りの男が一枚の処方箋を書き終り、紙の上の字を一々指して説明した。 「この最初に書いてある保嬰活....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
いうし、また、調合の方は朝鮮の姉が肺をわずらって最寄りの医者に書いてもらっていた処方箋を、そっくりそのまま真似てつくったときくからは、一応うなずけもしたが、それ....
抵抗のよりどころ」より 著者:三好十郎
それで私は私流に考えぬいて、私のような貧しい弱い臆病な人間にも実行できる具体的な処方箋をつくりあげました。それはこうです。 私は今後、どこの国のだれが私に武器....
日を愛しむ」より 著者:外村繁
から、清涼な風が微かに流れ入るのを、肌に感じた。 内科の診察や、検査が終ると、処方箋を薬局の窓に出してから、私は口腔外科へ行く。薬を貰うのにひどく時間を要する....