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「凧糸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

凧糸の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あの時分」より 著者:国木田独歩
、こういういたずらも四郎と同じ心のおもしろさを持っていたのです。 十幾本の鉤を凧糸につけて、その根を一本にまとめて、これを栗の木の幹に結び、これでよしと、四郎....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
もの顔に振舞っておる他の絵凧に己が凧をからまし、ここに手練の限りを尽くして彼これ凧糸の切りあいを試み、以て互いにその優劣を争う、江戸ッ児の生存競争は早く既に地上....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
よ》れますな」 「へえ、子供の時から慣れておりますからな。子供の時分に、こうして凧糸《たこいと》を拵えたものでございますよ」 七兵衛は見ているまに二間三間と綯....
便乗の図絵」より 著者:宮本百合子
にふきとばされないだけの用心をしながら、高く低くと風むきを利用しながら戦争挑発の凧糸をあやつっているともいえる。 この恐怖の凧が、日本の空にも見えるようになり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れていたのは、さきほど七兵衛が窓から投げ込んで行った品物であります。油紙に包んで凧糸《たこいと》で絡《から》げてある包みを解いて見ると、五寸ぐらいに切った一本の....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
が描いてあった。これは価も高かったので、こういうのを持っている事は誇りになった。凧糸は凧の大小に従って太さに等差があったが、からます時には凧の大きさよりは一、二....
椎の木」より 著者:豊島与志雄
ぱいに羽ばたきをしました。 凧はゆれ動いて、枝からはなれました。枝にかかってる凧糸が、一方は地面のつつじの木につながれたまま、ぴんと張りきり、ついに切れました....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
てえところまで行っていない、トバ口ぐらいのところだ」 ノッソリと立ちあがると、凧糸をたぐって凧をおろしにかかりながら、 「ときに、ひょろ松、お前、あの前の晩の....