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「凭れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

凭れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
柱へ手をかけて、伸上るようにしていた。やがて、柱に背をつけて、くるりと向をかえて凭れると、学校から帰ったなりの袂を取って、振をはらりと手許へ返して、睫毛の濃くな....
」より 著者:島崎藤村
物ばかりは、室内の光景に不似合なものであった……お種は、何処へ行っても、真実に倚凭れるという柱も無く、真実に眠られるという枕も無くなった。 その日からお種は豊....
蟇の血」より 著者:田中貢太郎
人形のような顔をした、黒い数多ある髪を束髪にした凄いように※な女が、障子の引手に凭れるようにして立っていた。 「ありがとうございます、が、今晩はすこし急ぎますか....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
めてみたい侘しさ、私は月に光った自分の裸の肩をこの時程美しく感じた事はない。壁に凭れると男の匂いがする。ズシンと体をぶっつけながら、何か口惜《くや》しさで、体中....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
事は、事実が証明しているのであります。さながら竜の水を得たるが如く、又は虎の山に凭れるが如く無辺際に亘って活躍して、鼻以外の表現能力が発揮し得ない範囲にまでも遠....
十姉妹」より 著者:山本勝治
渡ろうとした。 「何だ、どうしたんだい」宮崎の腕にグングン引っぱられながら、後に凭れる様にして慎作は原因を探った。と、また、宮崎は急に立止まった。まじまじと慎作....
魔都」より 著者:久生十蘭
に、極めて焦立たしそうにたびたび足を踏み変えている。泥酔者ならばこんな状況で壁に凭れる筈はなく、また、解けかかった皮帯は、たいていそれ自身の重さで前の方へ垂れか....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
まあ、大概お察し遊ばして下さいましなね。」 と楽にさし寄って、袖を土手へ敷いて凭れるようにして並べた。春の草は、その肩あたりを翠に仕切って、二人の裾は、足許な....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
慣としてどんな病人でも昼、身体を横にして寝るということは出来ないです。少し後ろに凭れるような物を拵えてそれに凭れて居る。で、その端には必ず一人の婦人が付き切りで....
活人形」より 著者:泉鏡花
たり。 かれもこれも一瞬時、得三は眼血走り、髪逆立ちて駈込つ、猶予う色無く柱に凭れる被を被りし人形に、斬つけ突つけ、狂気のごとく、愉快、愉快。と叫びける。同時....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
亮とはO氏やA博士やH君夫妻を向う斜めに見わたせる、船舶課側の窓際のクッションに凭れる、末席の方だが、このテエブルには若い船医や京都府の警部さんのA君やと大概は....
牡蠣船」より 著者:田中貢太郎
秀夫は凭れるともなしに新京橋の小さなとろとろする鉄の欄干に凭れて、周囲の電燈の燈の映っ....