»
凰
「凰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
《とばり》を垂れていた。ところどころに朱く塗った太い円い柱が立っていて、柱には鳳
凰《ほうおう》や龍や虎のたぐいが金や銀や朱や碧や紫やいろいろの濃い彩色《さいしき....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
女有、と同一字だ。道理こそ皆美人であると、それあるいは然らむ。が男の方は、桐に鳳
凰、とばかりで出処が怪しく、花骨牌から出たようであるから、遂にどちらも信にはなら....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
×××(この名前は覚えていない)という人はちょうど元日のしらしら明けの空を白い鳳
凰がたった一羽、中洲の方へ飛んで行くのを見たことがあると言っていたよ。もっともで....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
いた。古い宮殿や寺の内部は惜しげもなく装飾を施されていた。十世紀にできた宇治の鳳
凰堂には今もなお昔の壁画彫刻の遺物はもとより、丹精をこらした天蓋、金を蒔き鏡や真....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
も踊らぬ者に見せてやりたいと私は思った。 塩竈から松島へむかう東京の人々は、鳳
凰丸と孔雀丸とに乗せられた。われわれの一行は孔雀丸に乗った。 伝え聞く、伊達政....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
来る。そのなかに祐慶という名高い仏師がいる。この人は仏ばかりでなく、花鳥や龍や鳳
凰や、すべての彫刻の名人として知られているから、この人の通るのを待ち受けて、なん....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
一万を抜く山だ。県設小屋の上の方に相当雪があった。東から北へ白峰山脈、富士山、鳳
凰山、アサヨ峰、駒ヶ岳、八ヶ岳、北から西へ北アルプス、中央アルプス、南に赤石群山....
「春昼」より 著者:泉鏡花
は、緑の甍、朱の玉垣、金銀の柱、朱欄干、瑪瑙の階、花唐戸。玉楼金殿を空想して、鳳
凰の舞う竜の宮居に、牡丹に遊ぶ麒麟を見ながら、獅子王の座に朝日影さす、桜の花を衾....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
それで、僕等の後備歩兵第○聨隊が、高須大佐に導かれて金州半島に上陸すると、直ぐ鳳
凰山を目がけて急行した。その第五中隊第一小隊に、僕は伍長として、大石軍曹と共に、....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
した。この節、肉どころか、血どころか、贅沢な目玉などはついに賞翫した験がない。鳳
凰の髄、麒麟の鰓さえ、世にも稀な珍味と聞く。虹の目玉だ、やあ、八千年生延びろ、と....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
着けば、正面神棚の下には、我が姿、昨夜も扮した、劇中|女主人公の王妃なる、玉の鳳
凰のごときが掲げてあった。 「そして、……」 声も朗かに、且つ慎ましく、 「竜....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
僕等の話はいつか古典の上へ落ちて行った。 「麒麟はつまり一角獣ですね。それから鳳
凰もフェニックスと云う鳥の、……」 この名高い漢学者はこう云う僕の話にも興味を....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
とを告白する。と云うのは、今も云った通り眼前に見えつつある実風景が、あまりにも栖
凰や関雪の絵画に似ているので「オヤ、支那の自然め、日本の画家、栖鳳、関雪の芸術の....
「画道と女性」より 著者:上村松園
女の帯の濃緑地の上に、金糸の刺繍を見せた泥描きの模様を、新規のものはお目出度い鳳
凰模様としたり、あしらいに飛ばしてあった春を思わせる胡蝶の数の、四匹を三匹にした....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
な筆力を窺う事が出来る大作である。 この本堂の内陣の土蔵の扉にも椿岳の麒麟と鳳
凰の画があったそうだが、惜しい哉、十数年前修繕の際に取毀たれてしまった。 円福....