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凶作
「凶作〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凶作の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
をしてはならぬ事、隣保相助けねばならぬ事、豊作にも小作料は割増しをせぬ代りどんな
凶作でも割引は禁ずる事、場主に直訴《じきそ》がましい事をしてはならぬ事、掠奪《り....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
われて、いっかな閉門を命ずることを許さなかった。 越前領一帯、その年は近年希な
凶作で、百姓の困苦一方ではなかった。家老たちは、袖を連ねて忠直卿の御前に出《い》....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
て来た。 「領主板倉氏の宗徒への圧迫と課役の苛酷さとは、平時も堪えがたし。今年の
凶作をもって、如何にして之に堪えてゆかれよう。今は非常手段に訴えるより途はなかろ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
不作は町方一同の貯えに響いて来ている。田にある稲穂も奥手の分はおおかた実らない。
凶作の評判は早くも村民の間に立ち始めた。 「天明七年以来の飢饉でも襲って来るんじ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
沢を一方に移し、何地も平均に相成り候よういたし候ことに御座候。たとえば、英国にて
凶作打ち続き食物に困り候えば、豊かなる国より商売を休めその食物を運びつかわし候よ....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
った。しかし全世界は地上に達する太陽熱が減ったために、それから十年間というものは
凶作がつづいた。おそろしい影響であった。 カロチ教授たちは、みんな死滅してしま....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
金でそッくり米を買って、これを船で東京へ運んで売った。ところがその年は全国的な大
凶作で米があがっているところへ、北上平野は上々の豊作で安い米が買えた。だいたいに....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
されて来ているので。うッかり甘い顔を見せると、御馳走政略に載せられて、忽ち田畑の
凶作を云い立て、年貢御猶予の願いと出て来る。その他いろいろ虫の好い願いを持出すか....
「香熊」より 著者:佐藤垢石
り囲んで、吹雪の吹き込む土間で、その処分についていがみ合う。昭和六年の東北地方の
凶作の年の、哀れな農村の生活の姿が、詳さに書いてある。 処分について問題となっ....
「春」より 著者:岡本かの子
もあなたが恋しい。 京子の手紙三 あなたちっとも返事呉れないのね。それにしても
凶作地帯の事私気にかかるわ。私の持ってるもの何もかも遣りに行こうか。でもダイヤな....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
『飢饉論』や『怖ろしい問題』などの論文を書いて世論に訴え、コロレンコも現地報告『
凶作の年に』を書いた。ところがチェーホフは、スヴォーリンから何度も催促されながら....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
しかし、右の詩句に現われているような、単純にして素朴な苦闘ぶりには、それが、大
凶作、大飢饉地帯の中であるだけに、私は、今までの暗黒街の女群や、ルンペン群の生活....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
│ 今回岸野小作人が遠路出樽、小作料減免を歎願せ │ │ るは、一昨年来の
凶作を考えるとき、その要求に何 │ │ 等不当なるものあるを認めるを得ず。速か....
「妻」より 著者:神西清
しかけたように、眠たげなだるそうな声を出した、「ただなんともしようはあるまいな。
凶作だった、だもんでこんなことになった……こればかりはいかなる目測も急襲も突破は....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ます。そして国内で収穫れたものだけを売り捌かせますので、その国内だけでは、豊作、
凶作に拘らず、農作物の値段は適当に保たれます。しかし犠牲に供せられる植民地や属国....