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「凶変〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

凶変の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
がともかくも勝利を博したものと信じて居ったのでございます。が、あの大地震のような凶変《きょうへん》が起って、一切の社会的束縛が地上から姿を隠した時、どうしてそれ....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
意を得るような事でもあると、どうもこの御屋形の殿様の御身の上には、思いもよらない凶変でも起りそうな不吉な気がするのです。が、このような事は殿様に申上げても、あの....
忠義」より 著者:芥川竜之介
な死を遂げたのは、完《まった》く時の運であろう。 そう云えば、細川家には、この凶変《きょうへん》の起る前兆が、後《のち》になって考えれば、幾つもあった。――第....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
岸をお尋ね申した処、鳥越へ御転居に相成ったと承わり、早速伺ったら、いやはや意外な凶変、実に驚き入った事件で、定めて此方にも御心配のことゝ存ずるて」 由「まこと....
断橋奇聞」より 著者:田中貢太郎
たちの寝室の中へ入って往った。そこには夫の劉万戸がまだ寝ていた。劉万戸は夫人から凶変を聞くと、顔色を変えてとび起き、そそくさと花園へ駈けつけた。 花園には若い....
竇氏」より 著者:田中貢太郎
。 「旦那様、奥様が大変でございますよ」 南の傍には媼がいた。媼の頭には新人の凶変のみが映っていた。媼は南を引きずるようにして後園へ往った。 後園の桃園では....
死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
死体の匂い 田中貢太郎 大正十二年九月一日、天柱|拆け地維欠くとも言うべき一大凶変が突如として起り、首都東京を中心に、横浜、横須賀の隣接都市をはじめ、武相豆房....
新春偶語」より 著者:寺田寅彦
とは勿論であるが、同時にまた将来いつかは必ず何度となく再起するにきまっているこの凶変に備えるような根本的研究とそれに対する施設を、この機会に着手することが更に一....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
総て文部省の管理に移し、諸事統一的経済的に学政を敷かれつつあったのだが、一朝この凶変の起ったのは実に惜しい事であった。 遡っていうが、私が東京へ転任した翌年に....
霊的本能主義」より 著者:和辻哲郎
。「愛国心」は変体して忠君となった。 忠君の血を灑ぎ愛国の血を流したる旅順には凶変を象どる烏の群れが骸骨の山をめぐって飛ぶ。田吾作も八公も肉体の執着を離れて愛....
えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
祈りながら引返さなければならない.さもないと,悪いクマに会って殺されるか,種々の凶変に会うという. モシリシンナイサムというばけもの と息吹きをかけながら,手....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
笑した。 「いや、何……」と一八郎は鳩の行方を気にしながら「実は先生、万吉の身に凶変が起りましてな」 「ほう、それは心許ない……」 腰を下ろした侍は、元|天満....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
吉の女房であった。 お吉は今朝、平賀源内の使いにおどろかされて、初めて、良人の凶変を知った。 で、取るものも取りあえず、小橋村の彫刻師の家に寝かされている万....
私本太平記」より 著者:吉川英治
帰スルコト三年、又モ※猴(さる)ノゴトキ者、天下ヲ掠ムルコト三十余年、始メテ、大凶変ジテ一|元ニ帰セム」 兵はぽかんと聞いている。わかったような顔つきは一つも....