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凶暴
「凶暴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凶暴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
んだ。――灰が……」 落ちるよと、木崎はつとにじり寄りながら、自分の血管の中で
凶暴な男の血が脈を打っていることを、はじめて意識した。 あわれんでいるものを、....
「蠅男」より 著者:海野十三
に太い鉄の棒をはめた檻のなかに入れてやるぞ」 帆村は切歯扼腕して口惜しがった。
凶暴な機関銃手があの蠅男だということに決まれば、彼は事件をもう一度始めから考え直....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
あいつはタガメだ」 こういう評判が金魚家仲間に立った。タガメは金魚に取付くのに
凶暴性を持つ害虫である。そんなことを云われながらも彼はどうやらこうやら、その姉妹....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
ののなかの最も哀れなものだ。 人間 あ、馬に拍車をあてた、全列は突進しだした。(
凶暴なる音楽おこる)まるであらしのように。あんなに急いでどこに行くのだろう。 顔....
「海底都市」より 著者:海野十三
士と名のる辻ヶ谷君の切《せつ》なる頼《たの》みにより、僕は海底ふかく分け入って、
凶暴《きょうぼう》なる未知の怪生物族を探し、それと重大なる談判《だんぱん》をしな....
「ドレフュー大疑獄とエミール・ゾーラ」より 著者:幸徳秋水
痴漢とを以て充満せらるるかを疑わしめたり。怪しむ勿き也。軍隊の組織は悪人をして其
凶暴を逞しくせしむること、他の社会よりも容易にして正義の人物をして痴漢と同様なら....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
ルー殺害事件 それから一年近くたった一八――年十月のこと、ロンドン市民は非常に
凶暴な犯罪によってうち驚かされ、しかもその被害者の身分が高かったので一そう世間の....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
の周囲には愛用者がいなかったので、ポン中毒の正体がのみこめなかった。 「それで、
凶暴なの?」 「そうでもないよ。根がヤキモチヤキなのよ。ルミちゃんが可愛いい顔し....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
は武器を持っていた。商売用の刀や匕首や、竹槍などを持っていた。 どんなに彼等が
凶暴でも、三十人こっきりであったなら、捕縛えるに苦労はしなかったろう。しかるにこ....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
ものは婦女ばかりではない。生活上必要な物資もまた遠慮なくこれを掠奪するのである。
凶暴なる山人や海人はその脅威されたる生活を緩和せんが為にしばしば出でて里人を襲撃....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
である。元気のままに、やけっぱちのままに、彼は絞首役人の上に踊りかかった。群衆は
凶暴に昂奮し、この勇猛な外国人に歓呼を送りながら、警備を突破して、チノコと役人の....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
入して、やっと案の通過をはかるというようなことさえ起こりました。いったい、こんな
凶暴な事態が、こんな異常な事態がなぜ起こるかということを、われわれは考えてみなけ....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
皮製の粗末な衣服をまとった毛だらけの爺で,よく人の真似もするが,その性質はひどく
凶暴で,おまけに物凄くよく斬れる刀をもち,それによって多くの人畜を殺傷した話が,....
「父の出郷」より 著者:葛西善蔵
と泣きたがる。それが、泣くのが自然であるかもしれないが、私は非常に好かないのだ。
凶暴な人間が血を見ていっそう惨虐性を発揮するように、涙を見ると、私の
凶暴性が爆発....
「濫僧考」より 著者:喜田貞吉
。 延喜十四年三善清行の上った「意見封事」十二個条のうちに、 、及び宿衛舎人の
凶暴を禁ぜんと請ふ事 を著けて其の身を駈使せん(以下宿衛舎人の事略す)。 とある....