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凶猛
「凶猛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凶猛の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
に一つより生きる道はない。彼の心には、こういう覚悟と共に、ほとんど常軌を逸した、
凶猛な勇気が、刻々に力を増して来た。相手の太刀を受け止めて、それを向こうへ切り返....
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
書いた記事であった。この動物の巨大な身長や、非常な膂力《りょりょく》と活動力や、
凶猛な残忍性や、模倣性などは、すべての人によく知られているところである。私はあの....
「蠅」より 著者:宮本百合子
腹に微細ながら黒く剛い毛が生え、蠅の世界の熊坂長範というようだ。―― 源一は、
凶猛そうなその姿から一種動物的な挑戦慾を刺戟された。彼は、硝子をバタバタやった。....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
に怪力を揮って彼を羽目板のところへ押しつけ、こうして彼を自分の掌中に握ると、残忍
凶猛に、幾度も幾度も彼の胸へ自分の剣を突き立てた。 その瞬間、誰かが扉の挿錠を....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ようだった。木の所は泥にかくれ、鉄の所は錆《さび》にかくれていた。心棒の下には、
凶猛な巨人ゴライアスを縛るにいいと思われるような太い鎖が、綱を渡したようにつるさ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ットの巣窟《そうくつ》は、ゴルボー屋敷について前に述べておいた所でわかるとおり、
凶猛暗黒な行為の場所となり罪悪を隠蔽《いんぺい》する場所となるのに、いかにもふさ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
た。彼は幾多の恐るべき試みに会ってきた。あらゆる不運の道をことごとく通ってきた。
凶猛なる運命は、あらゆる追求と社会的迫害とをもって、彼を目ざして襲いかかってきた....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
大部分は顔の形もわからないまでに傷を受け、血潮のために目も見えなくなり、憤激し、
凶猛となって、二階の広間に侵入した。そこには、立ってる者はただひとりにすぎなかっ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ッと立った。お綱が蝶のように飛び離れると一緒に、三次、隼人、為なども、腰を立てて
凶猛な気配りになる。 「なるほど、このほうが気合いがのるわえ!」 お十夜の声!....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
出し、退治をしたのに始まるというもの、次には同じ策略を以て引捉えた夷民を選別して
凶猛なる者は対岸へ放流し、忠順なる者のみを止住せしめた。それがすなわち「まめの葉....