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「凸起〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

凸起の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あの時分」より 著者:国木田独歩
ある大名の下屋敷の池であったのを埋めたのでしょう、まわりは築山らしいのがいくつか凸起しているので、雁にはよき隠れ場であるので、そのころ毎晩のように一群れの雁がお....
十二支考」より 著者:南方熊楠
々変った場面に応じて巧く働かせて行き走る。その遣り方はその這うべき場面に少しでも凸起の、その体の一部を托すべきあるに遇わば、左右の肋骨を交《こもご》も引き寄せて....
怪星ガン」より 著者:海野十三
て、二本の緑色の角が、にゅーッと前方へまがって、倍くらいに伸びた。象の鼻みたいな凸起が、ぴーンと立ってその先がひくひくと動いた。そればかりか、お面全体が奥へひっ....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
はっきりと描くくせがある。そして妙なお化けを製造する。 顔の造作は立体中の凹所凸起位いに思って描けばいいと思う。 最初はなるべく木炭の最も淡き調子を以て描き....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
待つ間は煙草をパクパク吹していたが 「どう痛むんだ」 返事がないので、磯は丸く凸起った布団を少時く熟と視ていたが 「オイどう痛むんだイ」 相変らず返事がない....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
月だった。深夜たびたび停船して水先案内を乗せたオイホナ号は、島の多い、というより凸起した陸地の間にわずかに船を通すに足る水の、フィンランド湾の岸にそって、午前十....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
祠が祀《まつ》ってあった。この岩には貝の殻が着いていた。けだし太古の地変で海面が凸起した遺跡であろう。尤もかかる事も奇怪の一つとし、或る季節に祭典を執行する行者....
見えざる人」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
てまた、仕立屋の人形のように彼等は肩のあたりに恰好のいい隆肉と胸部に鳩胸のような凸起をもっていた。そうした特色をのぞくと、彼等は、停車場にある人間大の自動機械と....
女難」より 著者:国木田独歩
おわれているが、見たところほどよく発達し、よく下品な人に見るような骨張ったむげに凸起した額ではない。 音の力は恐ろしいもので、どんな下等な男女が弾吹しても、聴....
鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
川は氷が厚いので、それが自然に裂けて剣のように尖っている所もある。あるいは自然に凸起して岩のように突き出ている所もある。それがために自殺を目的の投身者も往々その....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
昏倒と推摩居士の発作が適確なのを確かめると、犯人は四本の玉幡を合せて、繍仏の指に凸起のある方を内側にして方形を作り、それを三階の突出床の下に吊して置いたのだ。そ....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
画題を隅田川|花盛《はなざかり》となしたる図の如きを見よ。先《まず》丘陵の如くに凸起《とっき》したる堤を描き、広々《ひろびろ》したる水上より花間《かかん》を仰見....