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出かす
「出かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
れておしまいなすった。こう云う人間に近い神は、五塵を離れていぬのじゃから、何を仕
出かすか油断はならぬ。このためしでもわかる通り、一体神と云うものは、人間離れをせ....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
。わたしはそれから日がな一日|櫃台の内側でこの仕事だけを勤めていたので、縮尻を仕
出かすことのないだけ、それだけで単調で詰らなかった。番頭さんはいつも仏頂面してい....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
。養父に云わせると私の父は気狂いだったそうですから、私も今に気狂いになって何を仕
出かすか分りません。養父の恐怖病も私がいなくなったら全快するでしょう、心密かに私....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
の親は拘引されている。そのあき巣に娘ひとりを残して置いては、なんどきまた何事を仕
出かすかも知れないという不安があるので、森君はお冬を自分の宿屋へ連れて帰って、主....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
だか気の毒にもなりました。しかしそんな乱暴が増長すると、しまいにはどんなことを仕
出かすか判らない。自分の家へ火でも付けられたら大変だ――わたくしはそんなことも考....
「俗臭」より 著者:織田作之助
だ。内地へ帰ってから一月も経たぬ内に話が起った。早く嫁を貰ってやらぬと、又何を仕
出かすか分らぬという訳である。千恵造は貰うともいわず、貰わぬともいわず、例の煮え....
「妖婦」より 著者:織田作之助
もうまともな結婚は出来そうにないし、といって堅気のままで置けば、いずれ不仕末を仕
出かすに違いあるまい。それならばいっそ新太郎の云うように水商売に入れた方がかえっ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
に、頼んでおかないと、姉がいい気になって――また自分への意地も手伝って――何をし
出かすか分らないと思った。 しかし、準之助氏に電話をかけようと思うと、あんな手....
「握った手」より 著者:坂口安吾
彼女はむしろ彼に怒り彼を軽蔑するのである。ということは、彼女がその秘密を月並に仕
出かす女だからであり、それを彼が何より怖れていることがそもそも空想の起りだからで....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
悪いがら、小作米を負けてくれとか、納められねえどか、屹度はあ小作争議のようごとを
出かすに相違ねえ野郎共だから。そこを、ようぐ考えで。ね、旦那! 年寄は悪いごと言....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
市に相違なし、お国表へ立廻る彼アいう悪い心な奴、殊に腕前が宜しいから何んな事を仕
出かすかも知れん、故に私が改めて貴公に頼むは、何うか隠密になってお国表へ参って、....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ア此間まで、青鼻アくっ垂して、柾の葉で笛を拵えて遊んで居たのがハア、こんな事を仕
出かすように成ったかえ、ナント馬鹿々々しい事だがのおかめさん、此の手紙の文を読む....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
直す様に」
花「案じねえでもいゝよ」
多「私《わし》イ宿を出る時に間違えでも
出かすとなんねえから、名前《なめえ》に掛るからってお内儀《かみさん》に言付かって....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
った振舞をするので、その度に世間の人たちから、 「また河内屋のいたずらか。何を仕
出かすかもわからない男だな。」 と評判を立てられるようになった。 あるとき、紀....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
十分に三十秒位だから沢山なものに候。この漫然たるものを一々引きのばして長いものに
出かす時日と根気があれば日本一の大文豪に候。このうちにて物になるのは百に一つ位に....