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出しな
「出しな〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出しなの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
が一時にふき出したのは、云うまでもない。中にはわざわざ反り身になって、懐中時計を
出しながら、能勢の父親の姿《スタイル》を真似て見る者さえある。自分は、思わず下を....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
がります。」
平吉は追いかけるように、こう言った。そうして、もう一度手拭を洗い
出しながら、柘榴口《ざくろぐち》の方へ歩いて行く馬琴の後ろ姿を見送って、これから....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
ないような犬が欲しい。」と答えますと、大男はすぐに口笛を吹いて、一匹の黒犬を呼び
出しながら、
「この犬の名は飛べと言って、誰でも背中へ乗ってさえすれば百里でも千....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》とも申そうか。」
若殿様は勢いよく、こう返事をなさいましたが、ふと何か御思い
出しなすったように、じっと大殿油《おおとのあぶら》の火影《ほかげ》を御覧になると....
「河童」より 著者:芥川竜之介
我々には滑稽《こっけい》です。ふふふふふふふふふふ。」
ペップは巻煙草をほうり
出しながら、気のない薄笑いをもらしていました。そこへ口を出したのは法律には縁の遠....
「彼」より 著者:芥川竜之介
んなことを尋ねたりした、敷島《しきしま》の煙を一つずつ器用に輪にしては吐《は》き
出しながら。
四
彼は六高へはいった後《のち》、一年とたた....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
わした。
「どうしたい、宗俊、一件は。」
「一件た何だ。」
了哲は、下唇をつき
出しながら、じろじろ宗俊の顔を見て、
「とぼけなさんな。煙管の事さ。」
「うん、....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
いは敵を殺す事である。だから彼等は馬の頭を立て直すと、いずれも犬のように歯をむき
出しながら、猛然として日本騎兵のいる方へ殺到した。すると敵も彼等と同じ衝動に支配....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
母の身内《みうち》だと云う理由もある。――洋一は誰かに聞かされた、そんな話を思い
出しながら、しばらくの間《あいだ》は不承不承《ふしょうぶしょう》に、一昨年《いっ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
かどうかはっきりしない。神父はほとんどのしかかるように鬚《ひげ》だらけの顔を突き
出しながら、一生懸命にこう戒《いまし》め続けた。
「まことの神をお信じなさい。ま....
「死後」より 著者:芥川竜之介
き立ててあるものだった。誰かこれを持っていたことがある、――僕はそんなことを思い
出しながら、いつか書斎でも何でもない、枳殻垣《からたちがき》に沿った道を歩いてい....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
なってきた。「そろそろ受付へ行こうじゃないか」――気の早い赤木君が、新聞をほうり
出しながら、「行《い》」の所へ独特のアクセントをつけて言う。そこでみんな、ぞろぞ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
》が一つ出来ただけだった。」
素戔嗚はこう云う一言に忌々《いまいま》しさを吐き
出しながら、そこにあった一本の楡《にれ》の根本《ねもと》に腰を下した。彼の眼の前....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
私《わたし》はお前たち五百人の母だ。その証拠はここにある。」と云う。そうして乳を
出しながら、美しい手に絞《しぼ》って見せる。乳は五百|条《すじ》の泉のように、高....
「運」より 著者:芥川竜之介
いました。しかも娘の思惑《おもわく》を知ってか知らないでか、膝《ひざ》で前へのり
出しながら、見かけによらない猫撫声《ねこなでごえ》で、初対面の挨拶《あいさつ》を....