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「出し合う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出し合うの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
世相」より 著者:織田作之助
で、声もポソポソと不景気だった。 「……壕舎ばかりの隣組が七軒、一軒当り二千円宛出し合うて牛を一頭……いやなに密殺して闇市へ売却するが肚でがしてね。ところが買っ....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
「チーフメーツの方もどうなるかわからないから、もし、それがだめだったら、おもてで出し合うってことにしよう。そうすることは、まるで船主にロハでくれてやるようなもん....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
の花を持たせ合って、透かさず舞台気分を高潮させ合い、共同一致のファインプレイを演出し合うだけの虚心坦懐さがなければ仁輪加の花は咲かない。この生活苦と、仁義、公儀....
旅愁」より 著者:横光利一
鶴子一人に買わせるよりも、二人で買う方が旅の記念にもなると思い、矢代は等分に金を出し合うことを主張して、ある店で手ごろなシュウパアシックスを買った。 「あたし、....
連環記」より 著者:幸田露伴
とは思いやられるのである。さて定基夫婦の間の燻りかえり、ひぞり合い、煙を出し火を出し合うようになっている傍に、従兄弟同士の匡衡夫婦の間は、詩思歌情、ハハハ、オホ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に、昔おっそろしい力の強い若い衆があってね、なんでも三十人力あって、村々で人足を出し合う時には、その若いのが一人で、三十人分に通用したという話が残っていますよ。....
夜汽車」より 著者:牧逸馬
したのだから――」 暫らく紳士的に争った末、何方《どっち》からともなく半分ずつ出し合うことに妥協した。フリント君の三十弗に自分の三十弗を合わせて、忌々しそうに....
神経」より 著者:織田作之助
来ていたので、いつか顔を見知っていただけに、一層実感が迫るのであろう。 「皆で金出し合うて、地蔵さんを祀ったげよか」 「そやそや、それがええ。祀ったげぜ、祀った....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
どはお安いご用。山車人形の衣裳に二千両、三千両。女房も娘も叩き売って山車の費用を出し合うのが江戸ッ子に生れた身の冥加《みょうが》。悔《くや》むどころか、これが自....
その人を知らず」より 著者:三好十郎
らね。そいでまあ、今日はその準備というか、こうして座談会を開いて、みんなの意見を出し合うという事になってね。そんなわけだよ。 友吉 ……そうですか。どうも僕には....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
りばらばらであっては、お互いを信ずることが出来ませんから、親身になって慈悲の心を出し合うことも出来ません。 日本当面の非常時、政治的不安や経済的行き詰まりにい....