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出し抜く
「出し抜く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出し抜くの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
所へ羽《はね》を伸《の》して来やあがると、只は置かねえぞ。ねえ、親分。松の野郎を
出し抜くわけじゃあねえが、この一件はどうぞわっしに任せておくんなせえ。わっしがき....
「ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
リズムの不正確不真実を助長させるに有効であることもよく知られた事実である。他社を
出し抜くためにあらゆる犠牲が払われ、結局は肝心の真実そのものまでが犠牲にされて惜....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
他の児童等に云われたほどの源三には、その親切なお浪親子の家の傍を通ってその二人を
出し抜くことが出来ないのであった。しかし家に居たく無い、出世がしたい、奉公に出た....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れから以後のことが想われる。 この二人の亡者共に、つけ廻されてはたまらないから
出し抜くに限る。出し抜いたからとて、影の形における如く、離れっこはないから、絶縁....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
お邪魔に上りますから」 「そんなことを言ったって駄目ですよ、お前はもうこの伯母を
出し抜くようになってしまったのだから油断がなりませんよ、お前に逃げられたために、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
里内外の道中ですから、二人の足では横町を走るくらいのものだから、出し抜こうにも、
出し抜くまいにも、あっけないもので、江戸の市中へ入ってしまいました。 江戸の市....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ば落度だが、その虚を覘《ねら》って、友達――ではない、切っても切れぬ同行のつれを
出し抜くのは、道庵先生も情が薄いといえば薄い。しかし、今度は違う、自分は今見なく....
「盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
た。―― 「ところで、G――さん、例の盗まれた手紙はどうなりました? あの大臣を
出し抜くなんてことはとてもできないと、とうとう諦めたようですな?」 「あの畜生、....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
の山麓から山頂までつづけられる努力であって、それは決して私がやったように一時人を
出し抜く早足ではない。誰を負かすのでもない。ただ正当なたゆまざる努力である。たと....