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「出っ歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出っ歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
詰め所の御門番衆について、それから先の行き先を尋ねました。 「いましがた色の黒い出っ歯の相撲取りがここを通ったはずでござりまするが、さだめしご門鑑改めをしたので....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
さえあったが、近よって話を交えてみると、げっそりするようなところもあった。笑うと出っ歯の齦の露出するのも気になったが、お品が悪くはないながらに口の利き方や気分に....
読書法」より 著者:戸坂潤
見て、始めて日本の醤油が非常にくさいものであること、日本婦人が揃いも揃って非常に出っ歯であることを発見した。これと同じ位いに現代の日本文学を客観的に展望して見た....
旅愁」より 著者:横光利一
わけでもなく、また合理的なところもなければ鮮かな身振りもなかった。 背が小さく出っ歯で、小肥りなうえに開けッ放した唇が厚くいつも唾で濡れていた。そのくせ父親ら....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
も云わずに彼女の後に従った。 私はその女教師から主任の手へまわされた。主任は、出っ歯のスパルタ式教育と自称するいかめしい男の歴史の教師であった。彼は、私の責任....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
を余程下等な感じの悪い女にさせて居た。 歯からズーッと齦まではかなり急な角度で出っ歯になって居て、その突出た歯を被うには到底足りないで一生僅か許りの隙間を作っ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
こんだように默りこんで坐っていた。ひとりは平尾、もうひとりは大山といった。平尾は出っ歯で、近眼で、みんなの中で一ばん不景気な顔をしているが、おそろしく記憶力のい....
痀女抄録」より 著者:矢田津世子
子に見る気がして足を停めかけたが、思いかえして、隣家の師匠宅を訪うた。 銀三が出っ歯をむき出しにして迎えて、師匠は只今お写経でございますが、と言う。簾屏風ごし....
水魔」より 著者:田中貢太郎
を追っかけてて、留置場の御厄介になろうと云うのじゃないか、昨夜千束町の方で、あの出っ歯の刑事にあったら、山西は近比どうだって、君のことを聞いてたぜ」と、岩本も小....