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出る幕ではない
「出る幕ではない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出る幕ではないの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「男女同権」より 著者:太宰治
して試みたところの不思議な講演の速記録である。 ――もはや、もう、私ども老人の
出る幕ではないと観念いたしまして、ながらく蟄居《ちっきょ》してはなはだ不自由、不....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ってろ」 「へ……?」 「敬四郎どのと立ち会いのたいせつな吟味だ。おまえなんぞの
出る幕ではないよ」 でしゃばり伝六、横からでしゃばりかけたのを一言のもとにたし....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
もう今日の場合ではいかに竹林の七賢人が賢くて嫌味のない人種だからとはいえども、
出る幕ではないということになっている。生殖不能だなどいっている奴は早速人生の失業....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
眼をいりつくように大河のほうに注ぎながら、 「それは大いにある。しかし今日は私の
出る幕ではない。私の考えは帰ってから私のほうの塾生だけに話せばいいのだ。」 ま....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
って江戸小間物を進上するのが式例になっている。 御用所用人の役目で、物書などの
出る幕ではないのだが、その年は事務繁多で手繰りがつかず、金十郎が用人並に格上げさ....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
かげになり、日向になり権謀術策も用いて来たが、その目的も達した以上、もはやおれの
出る幕ではない、と思ったのだ。 おれはおれのしたいことだけを、して来たのだ。こ....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
くながめている。給仕は、すでに偉い人たちが関心を示すようになったところでは自分の
出る幕ではない、と思って、引き下がってしまった。ドアのそばの火夫は、自分の助けが....
「蝸牛の角」より 著者:和辻哲郎
皇室警衛のために東京には近衛師団がある。巡査や憲兵も沢山いる。警手もいる。我々の
出る幕ではない。――しかし父が自ら警衛したいという心持ちにも当然の理由を認めざる....