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出丸
「出丸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出丸の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真田幸村」より 著者:菊池寛
の所なので、構築にかかったが、その工事に従事している人夫達が、いつとはなしに、此
出丸を堅固に守らん人は、真田の外なしと云い合いて、いつの間にか、真田丸と云う名が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ハッキリとしていて、またその響き来《きた》った方角というのも、この館《やかた》の
出丸の直下、石垣が高く塁を成して積み上げられている根元から起って来たのはたしかな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
別に離れのようになっているけれども、離れではありません。あちらを本丸とすれば西の
出丸になります。廊下伝いに渡って行ける間柄ではあるが、庭を廻って、縁側から出入り....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
ふつうであった。それで、遠洋航海の帆船には、ときどき恐しいことがあった。 日の
出丸という、オットセイ猟船は、船員が、一人残らず天然痘にかかって、全滅というとき....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
なっていた。 この本邸を囲むようにして、独立した四つの建物があった。城でいうと
出丸に当たった。これも低い平屋づくりで、本邸と比べては粗末であったが、しかし牢固....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
の姫山と白旗山とはわたしの年久しい棲家で、たとえて言わばこの姫山は本丸、白旗山は
出丸じゃ。その白旗山をいっさい取り頽して、さらにこの姫山をも奪おうとするは、あま....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
石の堆層が、どうしたのか、今|俄然としてくずれたため、上の桝形へ建築しかけている
出丸櫓の一端まで、山崩れのごとく濠へのぞんで落ちこんだ――という大失態。築城上例....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
炎天にもめげず、お城のほうから聞えてくる。町人の怠惰を鞭うつようだ。 徳島城の
出丸櫓は、もうあらかた工事ができている。今は、いつか崩壊した石垣の修築が少し残っ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
次郎、わかったであろう」 徳島へついてみると、城下はすばらしく景気だっていた、
出丸廓の竣工と、おびただしい買上げもので黄金が町へ降っている。 そして、城普請....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
正成のすがたも大勢にかこまれて、やぐらの上に立っていた。 一、二ノ曲輪、妙見の
出丸、そのほかの諸将もみな一つに寄りかたまり、ここではかえって声もなく、ただ金剛....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
に焼き壊たれたのを修理し、また近ごろでは久子の兄、松尾|刑部季綱の奉行でいまなお
出丸や矢倉門などの手入れをしている状況だった。 足場の上で、大工左官たちを督し....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
り、木曾へ帰る機をうかがっていたが、やがて直江津の国府に庵を結び、晩年は高田市の
出丸に住んで長寿をたもった。その草庵のあった所は、後世まで菩提ヶ|原と呼ばれ、尼....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
崋山・暁斎・清親を経て、現在の漫画隆盛に到達したような閲歴は無く、人はただ発句の
出丸に籠城して、みずから変化の豊かなる世相描写を制限することになったが、そのかわ....