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出会す
「出会す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出会すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
心地がしてただ物新しい感じがする、居心《いごころ》は何の様だろう、何の様な事柄に
出会すだろうと此の様に怪しんで、其の当日宴会の刻限より余ほど早く、未だ午後五時に....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ついて、十二階を見ると、吉弥すなわち菊子の家が思い出された。誰れかそのうちの者に
出会すだろうかも知れないと、あたりに注意して歩いた。僕はいつも考え込んでいるので....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
他の手で押えながら顔をあげて、ぐるりをはゞかるように見わたした紅は、小山の視線に
出会すと、すぐ、まだ煙が出ている木箱の方へ眼を伏せた。 幹太郎は、小山の下顎骨....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
うに。」 と鬢に手を触ったまままた俯向く。 「何、温泉宿の夜中に、寂しい廊下で
出会すのは、そんなお化に限るんだけれど、何てたって驚きましたよ――馬鹿々々しいほ....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
われこそ一かどのパリジャンになり切ったと思っているのに、フト日本人の野暮臭いのに
出会すと、自画像を見せ付られたようにハッと幻滅を感じるからだろうと思う。それは無....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
のか。第一、芸妓屋の前へは、うっかり立てねえ。」 「なぜえ。」 「悪くすると敵に
出会す。」と投首する。 「あれ、芸が身を助けると言う、……お師匠さん、あんた、芸....
「茶色っぽい町」より 著者:宮本百合子
《くん》という、ひどく太い眉毛の若者が傍のソファで仮睡をし、夢で女賊マジャーンに
出会するという筋なのだが――マジャーンが、スワンソンの蜂雀通りの扮装でスクリーン....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
帯《たい》して出歩くに相違ねえから、そこでそれ、雲竜相ひいて、おれとそいつと必ず
出会する。その時だ、今から貴公の助力を求めるのは」
「助太刀か、おもしろかろう。....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
の発見されたる地点よりはセント・ヘレン駅により近きをもって、問題の列車は、椿事に
出会する前、該線の分岐点を通過せしものと信ずべき理由あり。 『機関手のジョン・ス....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
わててそのうしろ姿に敬礼したが、まだじっと自分の様子を見つめている小田先生の眼に
出会すと、彼はわざとのようにたずねた。 「もういいんですか。」 「朝倉先生がいい....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
/\格子か何かで自腹遊びをする積りで御免を被って師匠に逢おうと思ってると、此処で
出会すなんざア不思議でしょう」 正「今日は強気と野暮に(折を上げて)アノそれ売出....
「或る少女の死まで」より 著者:室生犀星
聞をもって、通りの郵便局へ行くのをたびたび見ることがあった。 私はそんなときに
出会すと、 「それは何処へ送るの。」と問うと、 「お父様にお送りするの。切手はこ....
「幼年時代」より 著者:室生犀星
た。たとえば、Aの町の「ガリマ」隊と、Bの町の「ガリマ」隊とが、よく静かな裏町で
出会すことがあった。そんなときは、すぐに喧嘩になった。そんな時は、たいがい石を投....
「雪の日」より 著者:近松秋江
小説の中に、お関という女が録之助という車夫になっている、幼馴染みの煙草屋の息子と
出会すところがあるでしょう、ちょっとあれみたようなものです。 私の家、その時分....
「日本橋附近」より 著者:田山花袋
するとそこいらで昔の江戸の粋と今の東京の艶麗さとをひとつに混ぜたような美しい人に
出会すことが出来た。またいかにも新しい江戸という感じを持った家庭をもそこに見出す....