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出会頭
「出会頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出会頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
うしろ》に従って、ひょいとあの孤家《ひとつや》の背戸《せど》の端《はた》へ出た。
出会頭《であいがしら》に声を懸《か》けたものがある。
(やあ、大分手間が取れると....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
欲しげに俗に云う千鳥足でよろめいていたのを、通行人は眉をひそめて避けて通ったが、
出会頭にぶつかったのが、洋服男の不運だった。 「な、何だと、俺の方から突当ったと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
弥勒寺の門前であります。門へ入ろうとする途端に、 「やあ、ムク、ここにいたのか」
出会頭《であいがしら》にバッタリと逢ったのは、昨夜柳原の土手で別れたムク犬であり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
思われるから、いよいよ以て奇怪に感じてその翌日、隊の門を潜《くぐ》ると、ちょうど
出会頭《であいがしら》のように物置の方から出て来た井村。 「井村君」 兵馬が呼....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が五人、比較的に穏かな御用の掛声で、ドヤドヤと裏口からこの家へ押込んで来た。その
出会頭《であいがしら》に、眼を瞋《いか》らし、歯を咬《か》み鳴らし、両足を揃えて....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
寒い声だが、生ぬるいことを言う。 「や、お澄――ここか、座敷は。」 扉を開けた
出会頭に、爺やが傍に、供が続いて突立った忘八の紳士が、我がために髪を結って化粧し....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
前後を見廻して暫らく佇《たたず》んでいました。 待っていたこの裏木戸へ来たら、
出会頭《であいがしら》に取って押えてやろうと、ほほえんでいた七兵衛のいる方へは、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
惑しました。今、暗い中で唸り出したのは、さいぜん追い飛ばした駕籠屋でもなく、いま
出会頭《であいがしら》にお角に突き当った怪しい者でもなく、それとは全く別の人、す....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
から……脱いだ帽子を手に提げて、夏服の青いので生白い顔を出したのは、その少年で。
出会頭に聞かされたので、真赤になって逃げたと言います。その癖お綾は一度も逢った事....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
た。もし、そのお帰りがけなのでござりますて。 上方の御老体が、それなり開けると
出会頭になります。出口が次の間で、もう床の入りました座敷の襖は暗し、また雪と申す....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
びえ息を切らして、逃げるように大急ぎで通っていった。ふたりはマリユスに気づかず、
出会頭《であいがしら》に彼につき当たったのだった。薄ら明りにすかして見ると、ふた....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、二、三歩後退した。 ちょうど、別荘から出て来た新子と、折悪しく夫人の馬とが、
出会頭になったのだ。 夫人も必死に馬を止めたらしく、ちょっと口が利けないほど、....
「おせん」より 著者:邦枝完二
ならなかったのであるが、きょうもきょうとて浅草の、この春死んだ志道軒の小屋前で、
出会頭に、ばったり遭ったのが彫工の松五|郎、それと察した松五|郎から、おもて飾り....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
「そりゃあそうと上天気で、神田の祭あ運が好えのう。」 言いながらかかる露地口、
出会頭《であいがしら》に小僧を伴れて息せき切ってくる。 桜馬場の駒蔵親分。 「おう、こりゃあ。」 「おう、こりゃあ。」....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
くい事がありますから。……」 「羽織は着たが、大番傘のその男、足駄穿の尻端折で、
出会頭に、これはと、頬被を取った顔を見ると、したり、可心が金沢で見知越の、いま尋....