出入[語句情報] » 出入

「出入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出入の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
《いちどき》に、失笑した。 それから、自分たちは、いい気になって、この待合室に出入《しゅつにゅう》するいろいろな人間を物色しはじめた。そうして一々、それに、東....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
暖簾《のれん》をくぐって、商人《あきうど》が来る。物貰《ものもら》いが来る。客の出入りはもちろんあった。その混雑の中に―― つつましく隅《すみ》へ寄って、その....
」より 著者:芥川竜之介
は、僧坊が隙なく建て続いて、湯屋では寺の僧が日毎に湯を沸かしている。従ってここへ出入する僧俗の類《たぐい》も甚だ多い。内供はこう云う人々の顔を根気よく物色した。....
十円札」より 著者:芥川竜之介
だ金の足《た》りない時には赤い色硝子《いろガラス》の軒燈《けんとう》を出した、人出入の少い土蔵造《どぞうづく》りの家《うち》へ大きい画集などを預けることにした。....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
いでにふと柳島《やなぎしま》の萩寺《はぎでら》へ寄った所が、そこへ丁度彼の屋敷へ出入りする骨董屋《こっとうや》が藤井の父子《おやこ》と一しょに詣《まい》り合せた....
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
二 僕等は金《かね》の工面《くめん》をしてはカッフェやお茶屋へ出入した。彼は僕よりも三割がた雄《おす》の特性を具えていた。ある粉雪《こなゆき》....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
して、敵《かたき》の在処《ありか》を探《さぐ》る内に、家中の侍《さむらい》の家へ出入《でいり》する女の針立《はりたて》の世間話から、兵衛は一度広島へ来て後《のち....
年末の一日」より 著者:芥川竜之介
しかも泣かずに我慢して家《うち》へ帰った時の心もちだった。 何度も同じ小みちに出入した後、僕は古樒《ふるしきみ》を焚《た》いていた墓地掃除の女に途《みち》を教....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
に、妙な歯痒《はがゆ》さを感じながら、剛情に一人黙っていた。 しかし戸沢と云う出入りの医者が、彼等の間に交《まじ》ったのは、それから間《ま》もない後《のち》の....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
算すれば、何フランを越えている」と書いている。 行儀 昔わたしの家に出入りした男まさりの女髪結は娘を一人持っていた。わたしは未だに蒼白《あおじろ》い....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
一月×日 俺は今日|洗濯物《せんたくもの》を俺自身洗濯屋へ持って行った。もっとも出入りの洗濯屋ではない。東安市場《とうあんしじょう》の側の洗濯屋である。これだけ....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
らと乾いたドックの中に高だかと艦首を擡げていた。彼の前には巡洋艦や駆逐艇が何隻も出入していた。それから新らしい潜航艇や水上飛行機も見えないことはなかった。しかし....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ファラデーは礼拝堂の戸は開けっぱなしで(open)寛大にして置くが、実験室の戸は出入がやかましく厳重である(closed)」と言った。これは酷評ではあるが、その....
寡婦」より 著者:秋田滋
に強かったのです。トラピスト教会の修道士になるような人たちの性質は、サロンなどに出入りする浮気な人たちとは同日に云えないものがあるでしょう。親類の間にはこんな言....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
三遊派の「五りん」とかいうもののお上さんだった。僕の家へ何かの拍子に円朝の息子の出入りしたりしたのもこういう親戚のあったためであろう。僕はまたその家の近所に今村....