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出処進退
「出処進退〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出処進退の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
ら初さんの顔を見て考えた。御免蒙《ごめんこうぶ》ろうかしらと考えた。こう云う時の
出処進退は、全く相手の思わく一つできまる。いかな馬鹿でも、いかな利口でも同じ事で....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
それこそ身悶えして、 「あっちへ、行って!」と強く言った。 4 僕は
出処進退に窮した。口をとがらして洗面所をぶらぶら歩いているうちに、何だか、僕も一....
「弟子」より 著者:中島敦
てもってこれを輔《たす》け、国に道無ければ身を退いてもってこれを避けた。こうした
出処進退の見事さはいまだ判らぬと見える。詩に曰《い》う。民|僻《よこしま》多き時....
「プロ文学の中間報告」より 著者:宮本百合子
。 プロレタリア文学がまとまった運動としてあった頃は、その仕事にしたがう人々の
出処進退というのは、文学の本質が必要としている方向の上から、全般的にとりあげて吟....
「文学の大衆化論について」より 著者:宮本百合子
の裡にあっては、様々の複雑な混乱がおこっている。現状に対する唯々諾々的態度、その
出処進退に終始一貫した人間としての責任感がないことまで、その作家がもっている高い....
「日本の秋色」より 著者:宮本百合子
ている。国威というものの普通解釈されている内容によって、それを或る尊厳、確信ある
出処進退という風に理解すると、今回のオリンピックに関しては勿論、四年後のためにさ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うやく江戸へ落着いて、それからまた甲州へ行って、また江戸へ戻るまでの間のこの男の
出処進退を考えてみると、まあ、そんなこんなの艱難辛苦は持って生れたこの男への試練....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
最近転任のお巡りさんが、挙動不審犯を交番へ連れ込んだ時のように、この先生の行動の
出処進退を調べ出しては際限がない。第一、この胆吹山へ突入までの石田村の田圃《たん....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
そうなことだ、で、右のように彼等が役附いたとなると、当然それに帰服せざるやからの
出処進退というものが見ものだな」 「そこで、一部のものに不平が勃発し、その不平組....
「作家の像」より 著者:太宰治
赤面していることもある。 ちっとも流行しないが、自分では、相当のもののつもりで
出処進退、つつしみつつしみ言動している。大事のまえの小事には、戒心の要がある。つ....
「新撰組」より 著者:服部之総
意の任に動かして、近藤、土方、両名の完全な独裁が布かれた。以来、新撰組の離合集散
出処進退は、この両名が代表する社会的地盤に照すことなしには理解されない。 五 続....