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「出合う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出合うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
早春」より 著者:芥川竜之介
じゃ》の前に立った。この爬虫類の標本室はちょうど去年の夏以来、三重子《みえこ》と出合う場所に定《さだ》められている。これは何も彼等の好みの病的だったためではない....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
に穴居《けっきょ》している、慓悍《ひょうかん》の名を得た侏儒《こびと》でさえ彼に出合う度毎に、必ず一人ずつは屍骸《しがい》になった。彼はその屍骸から奪った武器や....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ア是だけ聞けば分りましょう、輪田夏子は大層眉の生えた所が長く、殆ど両の眉が真中で出合う程に成って居ました、其の眉の両端を私が短く縮めて秀子の眉にしたのです、疑わ....
単独行」より 著者:加藤文太郎
には道は土崩の上を通って向うの山から広河原へ下るのだと聞いた。この川は小渋本流に出合うはこんな上流でも徒歩はできそうにない。仕方がないから、絶壁をよじ登っては河....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ている。一体現在の学生はどう言う意味で勉強しなくなったか。私は寧ろその逆の場合に出合う事が多い。学生は仲々よく勉強する、ノート勉強をやるのである。教授の云うこと....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
に、見られないものでもございません」 「同じ方角へ行くのだから、いずれはどこかで出合うだろうよ」 「その旅人が人里へ下って、我々の様子を吹聴しましたら、いささか....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
のは当然だな。一足先に戻ってみるとおキンの部屋から畑中が出ようとするのにバッタリ出合う。平素は一点非のうちどころもない船長だから、八十吉はとッさに怪しむ心も起ら....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
うに、喝采を求めるために一座をずらりと見廻した拍子に、彼とわたしの眼とがぴったり出合うと、そのまま口をつぐんでしまった。一瞬間、恐ろしい沈黙がつづいた。その赤鬚....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
に気がつき、やがて起きはじめた騒ぎも、追々静まって行った。 ところが、そうして出合う運搬夫たちへ因果を含めながら、片盤坑を奥へと進んで行った係長と菊池技師は、....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
あるから昔しから養蚕期になると、この山間で養蚕をしていたらしい、北又川が只見川と出合うてから、只見川の上流に行くと、川の西方にも平地が処々にある、それが大略五、....
夜寒に火を囲んで懐しい雑炊」より 著者:北大路魯山人
て食べるのもよい。また、単に醤油をおとして食べてもよい。 焼きのりはかきとよく出合う。あらくもんでふりかけて食べると、さらに充分を尽した味といえよう。かきの分....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。 ああ。美しい夢だ。しかし夢は消え失せる。 幻に見る己の翼に、真実の翼が出来て出合うと云うことは容易ではない。 兎に角この頭の上で、蒼々とした空間に隠れて、 ....
文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
る程度まで自分の思想感情を文章となすことが出来る域に達した人は、往々一つの危険に出合うのである。それは自分の思想感情を、多少自由に表白することが出来るようになっ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
自然にやっていて、別に大した考えを費さなくとも済みます。しかしもっと重大な事件に出合うと人間というものは案外、習慣や型に捉われて、なかなか自由な考え方で適切な処....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
る事が出来なかった。ただに相交わる事が出来なかったのみならず、人もし途中で彼らに出合う場合には、必ずこれを避けて相触れる事をまでも忌んだものである。「飜訳名義集....