出合頭[語句情報] » 出合頭

「出合頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出合頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
釦《きんボタン》の制服に短い外套を引っかけて、勢いよく外からはいって来た。それが出合頭《であいがしら》に大井と顔を合せると、女のような優しい声で、しかもまた不自....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
などを、役者の部屋へ運んで行く。 万太夫座の若太夫が、藤十郎の部屋から出てくる。出合頭に頭取と挨拶する。 頭取 おめでとうござんす。今日も明六つの鐘が鳴るか....
婦系図」より 著者:泉鏡花
いる内に、座を立たれては恐多い、と心を引立てた腰を、自分で突飛ばすごとく、大跨に出合頭。 颯と開いた襖とともに、唐縮緬友染の不断帯、格子の銘仙の羽織を着て、い....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て》へ歩き出しました。かなり歩いても濠端には相違ない。 「やい、気をつけやがれ」出合頭《であいがしら》に突当ろうとしたのは、やはり二人づれの酔どれ、どこぞの部屋....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
また以前と同様な陣笠、打裂羽織《ぶっさきばおり》、御用提灯の一行が、東と西とから出合頭にかち合って、まず煙草を喫《の》みはじめました。 東から五人、西から五人....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ったのは、返す返すも今晩は、米友の売れない晩であるらしい。 「友さん」と言って、出合頭にそこに立っていたのは即ち、最初から米友が咎《とが》めきっていた怪しい物影....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
と庭で剣術を遣《つか》っていたが、おれにも遣えと言う故、忠次郎とやったが、ひどく出合頭に胴を切られた、その時は気が遠くなった。それより二三度やったが、一本もぶつ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てフラリフラリと歩いて来るのは、年の頃はまだ若い、袴を着けたさむらいであります。出合頭《であいがしら》に、それとぶっつかった道庵は、 「やア、危ねえ!」 この....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
行手から息せききって走って来る一人の人の姿と、ムクとが、バッタリと出会いました。出合頭《であいがしら》にムクが一声吠えると、 「まあ、ムク」 バッタリ行会った....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
の陰にかくれて待ちかまえて居る、そうすると前に飛び出したのがまた戻って来る、その出合頭《であいがしら》にバーッと云う様な様子で左足のチョッカイでおどりかかるとこ....
楠の話」より 著者:豊島与志雄
飲んでいた。皆縁側に腰掛けていた。私はその前に軽く頭を下げて奥にはいった。すると出合頭に父が出て来た。父は長い口髭の下に唇をきっと結んでいた。そして私は、その時....
おせん」より 著者:邦枝完二
した松五|郎は、それでもまだ怯えていた。 「大丈夫かの」 「叱ッ。そこへ来たぜ」出合頭のつもりかなんぞの、至極気軽な調子で、八五|郎は春重の前へ立ちふさがった。....
註文帳」より 著者:泉鏡花
ていたのがすっかり月の夜に変った。火の番の最後の鉄棒遠く響いて廓の春の有明なり。出合頭に人が一人通ったので、やにわに棒を突立てたけれども、何、それは怪しいものに....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
、板葺の軒は低く、奥の方は昼も薄暗い。 安行|父子が今やここの門を通ると、丁度出合頭に内から笑いながら出て来た女があった。年は二十二三でもあろう、髪は銀杏返し....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
係長に会釈して、 「では、ちょっと、行って来ます」と云って、室を出ようとすると、出合頭に山本桂一が顔を出して、 「川口氏は只今息を引取りました。杉村さん、これで....