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出家
「出家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
。あの鼻では誰も妻になる女があるまいと思ったからである。中にはまた、あの鼻だから
出家《しゅっけ》したのだろうと批評する者さえあった。しかし内供は、自分が僧である....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
静かに彼の顔を見下《みおろ》している。
「尼提《にだい》よ、お前もわたしのように
出家《しゅっけ》せぬか!」
如来が雷音《らいおん》に呼びかけた時、尼提は途方《....
「竜」より 著者:芥川竜之介
》って居ようも知れぬ道理《ことわり》じゃ。』と、説法したそうでございます。何しろ
出家に妄語《もうご》はないと日頃から思いこんだ婆さんの事でございますから、これを....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
れども目はまだなかなか冴えている、急に寐就かれないのはお前様とおんなじであろう。
出家《しゅっけ》のいうことでも、教《おしえ》だの、戒《いましめ》だの、説法とばか....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
、麓の町からも聞こえて来た、牡鶏が村から村に時鳴を啼き交すように。 今日こそは
出家して基督に嫁ぐべき日だ。その朝の浅い眠りを覚ました不思議な夢も、思い入った心....
「春昼」より 著者:泉鏡花
。 「これは御参詣で。もし、もし、」 はッと心付くと、麻の法衣の袖をかさねて、
出家が一人、裾短に藁草履を穿きしめて間近に来ていた。 振向いたのを、莞爾やかに....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
を唇にあてて、俯向いて経を聞きつつ、布施をしようというのであるから、 「否、私は
出家じゃありません。」 と事もなげに辞退しながら、立停って、女のその雪のような....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
開く、すぐまたあとを鎖すのである。が、宝物庫には番人がいて、経蔵には、年紀の少い
出家が、火の気もなしに一人|経机に対っていた。 はじめ、薬師堂に詣でて、それか....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
、主人はちょっと舌を出して黙って行く。 次のは、剃りたての頭の青々とした綺麗な
出家。細面の色の白いのが、鼠の法衣下の上へ、黒縮緬の五紋、――お千さんのだ、振の....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
い法然様拝みますものでござります。吝嗇坊の柿の種が、小判小粒になればと云うて、御
出家に土の団子を差上げまして済むものでござりますかよ。」 真正直に言訳されて、....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
る霞を落した。何んの余波やら、庵にも、座にも、袖にも、菜種の薫が染みたのである。
出家は、さて日が出口から、裏山のその蛇の矢倉を案内しよう、と老実やかに勧めたけれ....
「山吹」より 著者:泉鏡花
、失せるまでと、雨露に命を打たせておりますうちに――四国遍路で逢いました廻国の御
出家――弘法様かと存ぜられます――御坊様から、不思議に譲られたでござります。竹操....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
聞き知った、川裳明神は女神ですから。……ところで(船中には、一人坊主を忌むとて、
出家一|人のみ立交る時は、海神の祟ありと聞けば、彼の美女の心、いかばかりか、尚お....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
、その尼様が全体分らないんだよ。 名僧の、智識の、僧正の、何のッても、今時の御
出家に、女でこそあれ、山の清心さんくらいの方はありやしない。 もう八十にもなっ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
で囃子の音がすれば、もう引込んで可い時分。フト気が着いたのは、悪くすると、こりゃ
出家でない。色ワキをここで待合そうなどという、寸法で来たのかも知れん、それだと邪....