出廷[語句情報] »
出廷
「出廷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出廷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
と青とカバーを異にせるテーブルを別ちて、一段高き所に居並びつ。 はじめ判事らが
出廷せしとき、白糸は徐《しず》かに面《おもて》を挙《あ》げて渠らを見遣《みや》り....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
と似た感情を持ったことがある。それは一昨年刑務所へ行っていたときだった。予審廷へ
出廷のために、刑務所の護送自動車に手錠をはめられたまゝ載せられて裁判所へ行く途中....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
たんです。むろんこの公判では証拠調べもむし返されるんですから、「つぼ半」の女将も
出廷しました……それで、まず青山さんは、あらかじめ菱沼さんへ、「どんな成行になっ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
べしと云って分厚の書類を請入れたが、之ぞ後に公判のある毎に支倉が風呂敷包みにして
出廷の際肌身を離さなかったと云う大部の書類である。 裁判長はこの時威儀を正して....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
に対しては、こういう面白い申立をした。 当地には猫を飼養する者が多いから、被告
出廷の途次、生命の危険がある。裁判所は、被告に適当の保護を与えんがために、猫の飼....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
勝手に定めて、早くどこへでもやってくれるがいいや。 ここまで書いたら、いよいよ
出廷だと言って呼びに来た。さよなら。 * 伊藤野枝宛・大正八年八月十日 ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
――ジャン・ヴァルジャンという一人の放免徒刑囚が、最近ヴァール県の重罪裁判所に
出廷した。その前後の事情は人の注意をひくに足るものであった。その悪漢は巧みに警察....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
たふたりの独身女は融和し難いけれど、祖父は達者であり、マリユスは時々何かの弁論に
出廷し、ジルノルマン伯母《おば》は新家庭のそばに差し控えた日々を送りつつ満足して....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
おもぶ》せなる業《わざ》なりけり。いでや公判開廷の日には、病《やまい》と称して、
出廷を避くべきかなど、種々に心を苦しめしかど、その甲斐《かい》遂《つい》にあらざ....
「独房」より 著者:小林多喜二
連れて行かれた。俺だちはその声が遠くなり、聞えなくなる迄、足踏みをやめなかった。
出廷 寒い冬の朝、看守が覗きから眼だけを出して、 「今日は
出廷だぜ。」 と云....
「沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
になった。海事工廠の造艦学泰斗ウイリアム・ホワイト卿、ロバアト・ステイル氏なども
出廷して、参考人として意見を徴されている。殊にステイル氏は、ワラタ号の設計図を研....
「申訳」より 著者:永井荷風
を済ませたのは、万一博文館が訴訟を提起した場合、当初出版の証人として木曜会会員の
出廷を余儀なくせしむるに至らむ事を僕は憚った故である。博文館は既に頃日、同館とは....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
朗読させ、それでエセックスを処理したことに世間態をつくろおうではないか。彼自身は
出廷しえない――たいへんな病気だというから。だが彼女にはどうも怪しいと思える。そ....
「死者の権利」より 著者:浜尾四郎
ちまう」といった言葉を、被告人以外に聞いた者がある。(かの洗濯婆さんは証人として
出廷したのです)しかしてウイスキーの罎を振り上げた所を見た、従って被告人が、もし....
「正義」より 著者:浜尾四郎
した。そうしてどうしようかと思い悩んだのです。処が今日あなたがあの被告事件につき
出廷するという事をききました。それで僕は早速法廷に行って始終のようすをきいて居た....