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「出張〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出張の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
友の一羽が、怪訝な様子で、チチと鳴き鳴き、其処らを覗くが、その笠木のちょっとした出張りの咽に、頭が附着いているのだから、どっちを覗いても、上からでは目に附かない....
妖術」より 著者:泉鏡花
詣をなされば可い。」 「貴下こそ、前へいらしってお待ち下されば可うござんすのに、出張りにいらしって、沫が冷いではありませんか。」 さっさと先へ行けではない。待....
去年」より 著者:伊藤左千夫
った。 深川警察署からの通知で、僕は千駄木町の知人某氏の牛疫撲殺に評価人として出張することとなった。僕ははじめて牛疫を見るという無経験者であるから、すこぶる気....
天守物語」より 著者:泉鏡花
座のまま)何だえ。 薄 武士が大勢で、篝を焚いております。ああ、武田播磨守殿、御出張、床几に掛ってお控えだ。おぬるくて、のろい癖に、もの見高な、せっかちで、お天....
古狢」より 著者:泉鏡花
似て、ニタニタと顕われた。廓の美人で顔がきく。この権ちゃんが顕われると、外土間に出張った縁台に腰を掛けるのに――市が立つと土足で糶上るのだからと、お町が手巾でよ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
据わる。 「どの道貴下には御用はござりますまいなれど、大崩壊の突端と睨み合いに、出張っておりますあの巌を、」 と立直って指をさしたが、片手は据え腰を、えいさ、....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
す。何だと言うと、火事で焼けたがために、仮ごしらえの電信局で、温泉場から、そこへ出張っているのでございます。 そこへ行くんだね、婦二人は。 で、その郵便局の....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
引一ぱいに行けば、家族が、一夏避暑をする儲けがある。梅水は富士の裾野――御殿場へ出張した。 そこへ、お誓が手伝いに出向いたと聞いて、がっかりして、峰は白雪、麓....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
じ。百合、撫子などの造花に、碧紫の電燈が燦然と輝いて――いらっしゃい――受附でも出張っている事、と心得違いをしていたので。 どうやら、これだと、見た処、会が済....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
津に設立した、銀行の株主であるから。 晩景、留守を預るこの老番頭にあてて、津に出張中の主人から、里見氏の令夫人参宮あり、丁寧に宿を参らすべき由、電信があったの....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
梅だろう。」 この時一所に笑い出したが。 「ね、小児だって、本場の苦労人が裸で出張ってる処へ、膝までも出さないんだ、馬鹿にするないで、もって、一本参ったもんで....
星女郎」より 著者:泉鏡花
時、折が折なんですから、実は何にも言出しはしませんでしたが、その日、広土間の縁の出張りに一人腰を掛けて、力餅を食べていた、鳥打帽を冠って、久留米の絣を着た学生が....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
中では、頻に目白が囀るのである。 「またこの橿原というんですか、山の裾がすくすく出張って、大きな怪物の土地の神が海の方へ向って、天地に開いた口の、奥歯へ苗代田麦....
三枚続」より 著者:泉鏡花
し、婆を捕えて、かの嬰児を抱いた女房を従えて、嘉吉の宅へ届けるため、角の交番から出張したのか、見ると騒動、コヤコヤと叱り留めて、所得税を納める者まで入交って、腕....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
り、年末年始の休みに要旨を書くつもりであったが果さなかった。正月に入って主として出張先の宿屋で書きつづけ二月十二日辛うじて脱稿した。 二月末高木清寿氏来訪、原....