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出征
「出征〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出征の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
街《がい》の剃頭店《ていとうてん》主人、何小二《かしょうじ》なる者は、日清戦争に
出征して、屡々《しばしば》勲功を顕《あらわ》したる勇士なれど、凱旋《がいせん》後....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
相手が気のつかないように、そっとポケットへ手巾《ハンカチ》をおさめた。それは彼が
出征する時、馴染《なじみ》の芸者に貰って来た、縁《ふち》に繍《ぬい》のある手巾《....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
を御覧なさいましたら、もうお疑はありますまい。それは貴女の御父上、英臣さんが、御
出征中、貴女の母様が御宅の馬丁貞造と……」 早瀬はちょっと言を切って……夫人が....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
十年振りの会飲に、友人と僕とは気持ちよく酔った。戦争の時も
出征して負傷したとは聴いていたが、会う機会を得なかったので、ようよう僕の方から、....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
夜以来、お通がいまだ一たびも聞かざりし鬱し怒れる良人の声なり。 四
出征に際して脱営せしと、人を殺せし罪とをもて、勿論謙三郎は銃殺されたり。 謙三....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
なく無事に家に帰るとして、ただ二人で今までなんだから、女中はじめ変に思おう。特に
出征中の軍人の夫人だ。そうでもない、世間じゃ余計な風説をしている折からだから憂慮....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ら馳せ参じて忽ち大軍になったと申します。『わざわざ遠方からあまたの軍兵を率いて御
出征になられるようなことはありませぬ……。』橘姫はそう仰っしゃって居られました。....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
事があつた。つづいて君が代の斉唱、バンザイの三唱など型どおり行われたが、その間、
出征軍人山中貞雄は不動の姿勢で颯爽――という字を張りこみたいところだが、そういう....
「一老人」より 著者:犬田卯
一 「諸君! 我輩は……」 突然、悲憤の叫びを上げたのである。 ちょうど甥が
出征するという日で、朝から近所の人達が集まり、私もそのささやかな酒宴の席に連って....
「米」より 著者:犬田卯
。」 と彼はがらんどうの家を見廻して訊ねた。 「由次と勝は田植、さア子は今日は、
出征家族の奉仕労働とかで、どうしても学校さいかなくてえなんねえなんて行っちまアし....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
は、電車の車掌の多数は女子なること。これ、先年ペルーと交戦せしとき、男子はすべて
出征したりしに起因すという。また、停車場にて食品を売るもの女子なり。市街および公....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
、それは――きらわれたんだよ」 秀治は東京の工作機製作工場に出ていたのを、兄が
出征したために、この夏の田植から家に戻つて来て働いていた。その工場の友だちに与太....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
の青春時代の、若々しい怒りの爆発だったのかもしれない。 おりもおり、日露の役に
出征していた次兄が戦傷がもとで病死、同年輩の知人が常陸丸で戦死したことなどをきく....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
てモルトケは数日何らの通報を受けない事すらあったが、戦況困難となりモルトケが遂に
出征軍の参謀長に栄転し、よく錯綜せる軍事、外交の問題を処理して大功を立てたのでそ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
ズムは年と共に発達する訳には行かなかったのであろう。もっともそれは僕の知人なども
出征していたためもあるかも知れない。この知人は南山の戦いに鉄条網にかかって戦死し....