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出掛ける
「出掛ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出掛けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「守の家」より 著者:伊藤左千夫
し云って溜息《ためいき》をついた。結局よんどころないと云う事で、自分は母と一緒に
出掛けることになった。お松は「仕様がないねえ坊さん」と云って涙ぐんだ。「又寄って....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
つ》を持ち、僕が別に番《ばん》ニョ片籠《かたかご》と天秤《てんびん》とを肩にして
出掛ける。民子が跡から菅笠《すげがさ》を被《かむ》って出ると、母が笑声で呼びかけ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に尋ねると、この答えがまた案外なものであった。 「俺は、何だ、これからお前の処へ
出掛けるんだ。」 「ええ!」と云ったが、何は措いても夜が明けたように勇み立って、....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
その癖、妙な事は、いま頃の日の暮方は、その名所の山へ、絡繹として、花見、遊山に
出掛けるのが、この前通りの、優しい大川の小橋を渡って、ぞろぞろと帰って来る、男は....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
「そんな重いもの持運ぶまでもありませんわ。ぽう、ぽっぽ――あの三人は町へ遊びに
出掛ける処なんです。少しばかり誘をかけますとね、ぽう、ぽっぽ――お社|近まで参り....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
、手前はまだ拝見しません。沼津、三島へ出ますにも、ここはぐっと大廻りになります。
出掛けるとなると、いつも用事で、忙しいものですから。…… ――御都合で、今日、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
帳場から背後向きに、日和下駄を探って下り、がたりびしりと手当り強く、そこへ広蓋を
出掛ける。ははあ、夫婦二人のこの店、気の毒千万、御亭が出前持を兼ねると見えたり。....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
う指導役のお爺さんが、そこでお待ちになって居られました。 『準備ができたらすぐに
出掛けると致そう。俺が竜宮の入口まで送ってあげる。それから先きは汝一人で行くのじ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ぼうぼう、ぼうぼう。」 「ぐらッぐらッ、ぐらッぐらッ。」 「や、小按摩が来た……
出掛けるには及ばぬわ、青牛よ。」 「もう。」 と、吠える。 「ぴい、ぷう。」 ....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
荷物はない。身体だけで済むよ。食いたいなあと思った時、ひょいと立って帽子を冠って
出掛けるだけだ。財布さえ忘れなけや可い。ひと足ひと足うまい物に近づいて行くって気....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
、まさしく少い声の男に、寮の道を教えたので、すてもおかず、ともかくもと大急ぎで、
出掛ける拍子に、棒を小腋に引きそばめた臆病ものの可笑さよ。 戸外へ出ると、もう....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
た、が、この既にお冬さんの一つ傘に肩を並べた時は、何だか、それなり一本松へ心中に
出掛けるような気がしたんですから――この面や格好を見ては不可ません。」 直槙は....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
雪は凍った、草履で可、……瑠璃の扉、と戸をあけて、※のゆきげた瑪瑙の橋と、悠然と
出掛けるのに、飛んで来たお使者は朴の木歯の高下駄、ちょっと化けた山伏が供をするよ....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
る中に偶っと浮んだのは君だ。ドウモ君らしい。コイツ失敗ったと、直ぐ詫びに君の許へ
出掛けると今度は君が留守でボンヤリ帰ったようなわけさ。イヤ失敬した、失敬した……....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
お抱えの俥が毎次でも待ってるから宜いとしても、こっちはわざわざ高い宿俥で遠方まで
出掛けるのは無駄だと思って、近所の安西洋料理にでも伴れて行こうもんなら何となく通....