出掛る[語句情報] » 出掛る

「出掛る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出掛るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旧主人」より 著者:島崎藤村
見せてはくれまいか。きょうは赤十字社の北佐久総会というのがあるから、乃公は其処へ出掛る振《ふり》をして、お隣の小山さんに話している。よしか。桜井が来たらば、直に....
新生」より 著者:島崎藤村
捨様《すてさま》も外国の方へ行かっせるッて――子供を置いて、よくそれでも思切って出掛る気に成らッせいたものだ』なんて、田舎《いなか》の者が言うから、人間はそれく....
藁草履」より 著者:島崎藤村
やすなら源は火の中へでも飛込んで見せる。それだのに悩み萎れた自分の妻を馬に乗せて出掛るとなると、さあ、重荷を負《しょ》ったような苦痛《くるしみ》ばかりしか感じま....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
から親達の住む方を眺めて、眼を泣きはらして来る程の年頃で、知らない土地へ二人ぎり出掛るとは余程の奮発だ。でもまだ真実に娘々したところのある人達で、互に肘で突付き....
」より 著者:島崎藤村
って、床の上に起直った。「私は夢でも見たかと思った」 「叔父さんは直に仕度をして出掛る。気の毒だが、お前、車屋まで行って来ておくれ」 と叔父に言われて、お延は....
次郎物語」より 著者:下村湖人
だにするなんて、第一、人間としてそんなことが出来るものではない。幸い今日は県庁に出掛る用事も出来たし、知事閣下に直接お目にかかれるかどうかはわからないが、学務課....
越後獅子」より 著者:羽志主水
いてたのです。決して間違ったことは致しません。其手拭は、確に自宅《うち》のです。出掛る前には何処にあったか、覚えは在りません。 保険は去年の暮に、以前横浜で懇....
枯尾花」より 著者:関根黙庵
れず、貯えの旅費は支いきり、帰りの汽車賃にも差支え、拠無く夕方から徒歩で大坂まで出掛る途中、西の宮と尼が崎の間だで非常に草臥れ、辻堂の椽側に腰を掛て休息している....
夏の町」より 著者:永井荷風
所論によると昔の巴里人は郊外の風景に対して今日の巴里人が日曜日といえば必ず遊びに出掛るような熱心な興味を感じてはいなかった。その証拠は時代風俗の反映たるべき文学....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
その夜は慙恨の情に駆られて、一|睡だもせず、翌朝遂に意を决して、局長の所へと詑に出掛る。 『いやもう過去は忘れましょう。』と、ミハイル、アウエリヤヌイチは固く彼....