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出来
「出来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
今度は「入れ毛」と書いてある。
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セセッション風に
出来上った病院。少年はこちらから歩み寄り、石の階段を登って行《ゆ》く、しかし戸の....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
女のような非力《ひりき》の求馬は、左近をも一行に加えたい気色《けしき》を隠す事が
出来なかったのであった。左近は喜びの余り眼に涙を浮べて、喜三郎にさえ何度となく礼....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
、事業を完成した満足を味ったばかりでなく、道徳を体現した満足をも、同時に味う事が
出来たのである。しかも、その満足は、復讐の目的から考えても、手段から考えても、良....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
いうことなんだ。それさえちゃんとわかっていれば、我々商人は忽ちの内に、大金儲けが
出来るからね」 「じゃ明日いらっしゃい。それまでに占って置いて上げますから」 「....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
解が行き届いている。が、菊池が兄貴らしい心もちを起させるのは、主として彼の人間の
出来上っている結果だろうと思う。ではその人間とはどんなものだと云うと、一口に説明....
「狂女」より 著者:秋田滋
えている。石が凍って割れるような寒い日のことだった。痛風がおきて僕自身も身動きが
出来なかったので、ぼんやり肱掛椅子に凭りかかっていた。折しも僕は重々しい律動的な....
「墓」より 著者:秋田滋
気持で愛していたのではございません。わたくしは、何ものをもってしても代えることの
出来ない、溢れるばかりの情熱をもって彼女を愛していたのであります。もの狂おしいま....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
金銭上の失敗の結果ではあるまいかと考えてみる。結局たしかなところを突止めることは
出来ないので、そうした類いの自殺者に対しては、ただ漠然と「不思議な」という言葉が....
「初雪」より 著者:秋田滋
らね。お前だって、もっと丈夫になれるのさ。こんな片田舎のことだ、巴里ッ児の真似は
出来るもんでもない、私たちは燠でまア辛抱しなけれアなるまいよ。それにもう、そう云....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
き、夕よりまた夜業とて活字を取扱う。随分と苦しけれど間々に新聞雑誌などを読む事も
出来、同僚の政治談も面白く、米国のある大学者も活版職より出たり、必竟学問を字を習....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ける。諸君がロンドンに行かるる機会があったら、これらの遺物を実際に見らるることも
出来る。 第三に、貴ぶべき示唆を受けることは
出来ない。あたかも雲に聳ゆる高塔を....
「寡婦」より 著者:秋田滋
を自分の屋敷へつれて行ったのですが、まもなく、その娘が側にいなければ片時も我慢が
出来ないと云うほど、のぼせ切ってしまったのでした。同じ屋敷に住んでいた娘さんと養....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
は足を棒のようにして息子の行方をさんざ探ねて廻った※句、ようやく探し当てることが
出来たのであるが、ジャンは、芸を仕込まれた牝山羊や軽業をする犬にとり囲まれて、年....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
、どこから来たのか、とんと見当がつかぬその生命の一片は、思いのままに滅ぼすことが
出来るのだ。滅ぼせば、何も無くなってしまう。完全に無くなってしまうのだ。腐ってし....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
殺と云えば地蔵松原を連想する程で、久作さんの『宙を飛ぶパラソル』はこのあたりでの
出来ごとである――の果て近くまで論じ来り、遂いに淋しい松根に御輿をすえてしまい、....