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「出来した〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出来したの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
れは伊達|綱宗の側室で、その子の亀千代(綱村)が二歳で封をつぐや、例のお家騒動が出来したのである。私はその裏面の消息を詳しく知らないが、とにかく反対派が種々の陰....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
、私気になって仕ようが無い。 早瀬 詰らん事を。災難なんか張倒す。 お蔦 おお、出来した、宿のおまえさん。 早瀬 お茶屋じゃない。場所がらを知らないかい。 お蔦....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
忘れていた。 何と、その革鞄の口に、紋着の女の袖が挟っていたではないか。 仕出来した、さればこそはじめた。 私はあえて、この老怪の歯が引啣えていたと言おう....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
れが出来上った時、しかも玉虫色の皆絹裏がサヤサヤと四辺を払って、と、出立った処は出来したが、懐中|空しゅうして行処がない。まさか、蕎麦屋で、かけ一、御酒なしでも....
」より 著者:岡本綺堂
かった。 ところが、先年の震災にあたって、前にいったような、やや不思議な事件が出来したのである。何者がその兜を邦原家の門前まで持出したか、また何者がそれを邦原....
火薬庫」より 著者:岡本綺堂
う一人前の役目がまずとどこおりなく勤められるようになった頃に、この不思議な事件が出来したのですから、そのつもりでお聞きください。」 こういう前置きをして、彼は....
月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
から十六日目、いよいよ月に近いた時に、不意に飛行器に狂いが生じて遂々こんな珍事が出来したのだ。 将碁倒しになって気絶していた一行の中で、最先に桂田博士が正気に....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
からは、最早や如何なる怨魔出で来るとも、退散させて弥陀の念仏。一宗再興疑いなし。出来したぞ堅田の源右衛門。この上は心よく、親鸞影像を戻し返してつかわすのみか、他....
虹と感興」より 著者:上村松園
したようなものの、どう考えましても、とてもこれほどのものが出来そうもなく、また、出来したところで、到底最初のようなものが出来るわけはありませんから、ついお話しだ....
山椒魚」より 著者:岡本綺堂
の古い旅籠屋にころげ込んで、ここで草鞋をぬいでしまった。すると、ここに妙な事件が出来したのさ。 汽車がまだ開通しない時代で、往来の旅人はあまり多くないとみえて....
蟹満寺縁起」より 著者:岡本綺堂
にかの蓮池遠くみゆ。 (白髪の翁と嫗は竈のまえに語る。) 嫗 どうも困ったことが出来したが、お前さんはまあどうするつもりだね。 翁 どうするといって、これも因果....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
しばらくその成り行きを見ているよりほかはなかった。 その矢先きに小夜衣の一条が出来したのである。かれも侍従もあからさまにその意味を説明するを避けていたのである....
式部小路」より 著者:泉鏡花
なくッちゃ、当節では出来ない仕事。また出来されちゃ大変でがすのに、とうとう見事仕出来した。何という向不見な寄合でしょうな。 先生。話は前後になりますが、ちょう....
画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
を捉えて、一心不乱に筆を染めた結果、何うやら斯うやら其の真を写し得て、先ず大略は出来した頃、丁度私と引違えて彼の別荘へ避暑に出かけた貴族エル何某が、其の本邸に帰....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
と振りかえりながら、言い出した。 「なあ、お前の写真の前で盃事したどもなあ、田植出来したら改めて祝儀するべやなあ、なんぼ金かかつたつて、これだけは一生に一度のこ....