出来ない相談[語句情報] » 出来ない相談

「出来ない相談〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出来ない相談の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
後さえ、一滴の乳も与えなかった。のみならず乳母を養うことも貧しい彼の家の生計には出来ない相談の一つだった。彼はその為に生まれ落ちた時から牛乳を飲んで育って来た。....
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
―お芳に勿論未練のある瀕死《ひんし》の父に相談することは彼女には今になって見ても出来ない相談に違いなかった。 ………お鈴はお芳親子を相手にしながら、こう云う曲....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
は、彼女とて自分とて、またいかに運の籤のよきものを抽《ひ》いた人間とて、現実では出来ない相談のものなのではあるまいか。現実というものは、切れ端は与えるが、全部は....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
かけるというのが如何《いか》にも済まないことのように思われてならなかった。とても出来ない相談とは知りながら、彼女はどうにかその金の工面は付くまいかと言った。 「....
特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
というものがよほど進歩して、人間の腕の移殖が出来るようになる日を待つしかないと、出来ない相談じゃありませんか」 「ばかな!」 と、客は怒鳴って、獣のような顔を....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
れは弾丸が、鋼鉄板を打ち破り尚も物凄い勢いをもって被害者の胸を刺すことにならねば出来ない相談です。無論、現場をしらべてみると、鋼鉄板に孔があいているどころか、弾....
蠅男」より 著者:海野十三
を結んで体重二十貫に近い彼を吊り下げることができるであろうか。これはいずれも全く出来ない相談である。猿が入ってきても何にもならない。 どうやら、これは入口のな....
ルバイヤート」より 著者:小川亮作
つくられた身なのだ、 あらましの罪けがれは土から来たのだ。 これ以上よくなれとて出来ない相談だ、 自分をこんな風につくった主が悪いのだ。 (31) 礼堂*の....
一坪館」より 著者:海野十三
がねえ……」持ちたいですが、現在の身の上では、火星探険と同じように、自分の力では出来ない相談だと源一はあきらめ顔になる。 「じゃあ、このとおり、ぼくはここへこの....
火星探険」より 著者:海野十三
そうもなかったし、それかといってエンジンを小型にすることは、工作上とてもここでは出来ない相談だった。ただエンジンを解体して、従来のものの二分の一または四分の一に....
火星兵団」より 著者:海野十三
りにも悲惨です」 「相手は、地球だのモロー彗星だ。その大衝突を防ぐことは、とても出来ない相談だ。そんな大きな物体を、右とか左とかに動かす力を、人間が持っていない....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
れど、陸戦や海戦と違って、敵を一歩も入らせないなどという完全な防禦は、空中戦では出来ない相談なんだ」 「どうして?」 「それはね、世界の空中戦の歴史を調べてもわ....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
より申さむか、何がさて母君は疾に世に亡き御方なれば、出来ぬ相談と申すもの、とても出来ない相談の出来よう筈のなきことゆえ、いかなる鼻もこれには弱りて、しまいに泣寝....
発明小僧」より 著者:海野十三
機 社長「ちょっと待って下さい。わしは製氷会社の社長ですよ。兵器を作れったって、出来ない相談ですワイ。」 小僧「そう思うのが畜生……イエその、つまり浅間しさです....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
しまいには面倒になって、原稿料は二百円だがそれでいいかと念を押した。居士の方では出来ない相談のつもりで、こう言ったら恐らく驚いて逡巡するだろうと思ったところが、....