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出来れば
「出来れば〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出来ればの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
借《ぜんしゃく》の出来そうなのはわずかにこの雑誌社一軒である。もし多少の前借でも
出来れば、――
彼はトンネルからトンネルへはいる車中の明暗を見上げたなり、いか....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
歎《なげ》き死《じに》に死んでしまうでしょう。
使 (つまらなそうに)歎き死が
出来れば仕合せです。とにかく一度は恋されたのですから、……しかしそんなことはどう....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
》りながら、元気よく私に挨拶《あいさつ》しました。
「いや、あなたの魔術さえ拝見
出来れば、雨くらいは何ともありません。」
私は椅子《いす》に腰かけてから、うす....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
けた。実は酒を飲みたい訳でも何でもない。ただ、眠くなるまでの時間さえ、つぶす事が
出来ればよいのである。だから無愛想なウェエタアが琥珀《こはく》のような酒の杯《さ....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
ちらが悪いかわかりません。(皮肉なる微笑)
しかし男を殺さずとも、女を奪う事が
出来れば、別に不足はない訳です。いや、その時の心もちでは、出来るだけ男を殺さずに....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
然し二人の愛が互に完全に奪い合わないでいる場合でも、若し私の愛が強烈に働くことが
出来れば、私の生長は益※拡張する。そして或る世界が――時間と空間をさえ撥無するほ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
気作業完成し完封するので、一日にこれを二十回もくりかえし得るという。一日に一個宛
出来ればいい方だった大正十年頃のことを思えば、うたた感慨無量なり。 ◯ラジオの伝....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
う。そういうわけでしょうな」 「実際に出来るのかね、そんな仕掛が……」 「発明が
出来れば、あとは仕掛を作ることなんか極《きわ》めて容易《ようい》ですよ」 「ふう....
「海底都市」より 著者:海野十三
おどろきやしませんよ。とにかく何かの合理的な手段によって、この国で当分暮すことが
出来れば、たいへんうれしいのです」 実は、僕は例の黄金をこの国から持ち出して、....
「火星探険」より 著者:海野十三
傍で話を聞いてみるのが早道である。 「どこまで進行したかね」 「もうあと、檻一つ
出来れば、それで完了だ。全部で四十個の檻が揃うわけだ」 「もう一つ残っている檻っ....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
を沈ましてあって、いくばくか金を出して塗箸で大判小判を取上げるので、取上げる事が
出来れば、大判小判が貰えるという興行物がありました。また戊辰戦争の後には、世の中....
「火星兵団」より 著者:海野十三
意そうに言った。
「なるほど。そんなりっぱな火星の宇宙艇を、たくさん借りることが
出来れば、我々も大助りです。政府に話をすれば、きっと喜ぶでしょう」
「そうです。....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
に対しては威なきものとなれるなるべし。 「うう、何、それでも結構じゃ。口すぎさえ
出来れば、なあ、あんた。」 ただ微笑みて見せぬ。姉上のこと疾く語らずや、と思う....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
んだから、ばかげた空想ばっかしする様になるのさ。もし、喉を鳴したり、卵を生んだり
出来れば、そんな考えはすぐ通り過ぎちまうんだがね。」 「でも水の上を泳ぎ廻るの、....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
。それから以来習慣が付き、子を産む度毎に必ず助産のお役を勤め、「犬猫の産科病院が
出来ればさしずめ院長になれる経歴が出来た、」と大得意だった。 不思議な事にはこ....