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「出来不出来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出来不出来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
い。 けれども余が病中に作り得た俳句と漢詩の価値は、余自身から云うと、全くその出来不出来に関係しないのである。平生《へいぜい》はいかに心持の好くない時でも、い....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
きに来たのですが」 先生「では早速条件を定めて其の上で着手致しましょう。多少の出来不出来こそあれ、万に一つも全く仕損ずると云う事は私の手腕にはないのですから」....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
れほどには変わらない。姉はただもうなつかしさが目にあふれてみえる。平生はずいぶん出来不出来のある人で、気むつかしい人だが、こうなると何もかもない。 「くるならく....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
は持つまいぞ。 かえで さりとは短気でござりましょう。いかなる名人上手でも細工の出来不出来は時の運。一生のうちに一度でもあっぱれ名作が出来ようならば、それがすな....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
に聞える位だ。こういう土地だから、暗い蚕棚と、襲うような臭気と、蚕の睡眠と、桑の出来不出来と、ある時は殆んど徹夜で働いている男や女のことを想ってみて貰わなければ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
。」 「そういうものですかねえ。」 「おれも好きな道だから言うが、半蔵さんの歌は出来不出来がある。そのかわり、どれを見ても真情は打ち出してあるナ。言葉なぞは飾ろ....
元日」より 著者:夏目漱石
には、元日の新聞は単に重量に於《おい》て各社ともに競争する訳になるんだから、其の出来不出来に対する具眼の審判者は、読者のうちでただ屑屋《くずや》丈《だけ》だろう....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
だ、まったくわれ知らず立ち上がってしまうものだ。そして目付きが輝くのだ。 また出来不出来にかかわらず、大作とか力作が続いて運ばれる時なども昂奮してうれしくなっ....
糸くず」より 著者:国木田独歩
る。人々は互いに今日の売買の事、もうけの事などを話し合っている。彼らはまた穀類の出来不出来の評判を尋ね合っている。気候が青物には申し分ないが、小麦には少し湿って....
二科会展覧会雑感」より 著者:寺田寅彦
し思い切って遠く離れて見ると一層そんな気がする。 アスランでもビッシェルでも、出来不出来は別として、やはりその人の絵になっていると思う。そして妙に焦ったような....
S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
ンが大好物です。しかし、困つたことに、パンの味がわかるにつれて、贅沢にも、パンの出来不出来を批評します。これは、ほんとうは父親たる小生の真似をしているわけで、た....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
、僕も実は閉口した。 なるほど、そういう風に催促でもしなければ、君のあの役は、出来不出来は別として、わざわざ批評家が取りあげるほど重要な役ではない。君はそれが....
文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
であつたそれ等の手が一緒に爐辺に集まるのだ、 大根漬を噛み 渋茶を啜つて 作物の出来不出来 陽気の加減を語り合ひ ぼんぼんと燃える焚火にあつたまるのだ、 喜びも....
双語」より 著者:上村松園
の又兵衛ほどの出来に比べて、一段下のもののように思いました。これは同じ又兵衛でも出来不出来でこんな具合になるのかとも思いましたが、しかしあるいは別の人が写したも....
江戸川乱歩」より 著者:平林初之輔
が、近頃では、私自身探偵小説にあきてきたせいもあって、めったに読まない。しかし、出来不出来は免れないにしても、彼は一作ごとに何程かの進歩を見せざればやまないよう....