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「出格子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出格子の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
目を円くしたおとなや子供でとりまかれてしまった。あまりのうるささに、彼は街道風な出格子の二階の見える旅籠屋の入り口をさして逃げ込んだくらいだ。 ホルサムが思い....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
土部三斎隠居屋敷、通用門の潜りを叩いて、 「御門番、御蔵前の門倉だ」 長屋門の出格子から、不精《ぶしょう》そうな門番の顔が覗いたが直《じ》きに、扉が開く。 「....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
日ぐっと冷えたが、また、ねじが戻って、この三四日は、春のような暖かさ。 黒塗の出格子窓から射しこむ陽の光が、毳《けば》立った坊主畳《ぼうずだたみ》の上へいっぱ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
まったので、あたりはひっそり閑《かん》。 このへんは寺や屋敷だけの町で、黒門に出格子窓。暮れると人通りもない場所で、聞えるものは空ッ風と犬の遠吠えばかり。 ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
で、私もこれは好いと思い、早速行って見ますと、なるほど、これは格好、往来に向いて出格子の窓などがあり、茶屋町の裏町になった横丁だが四方も物静かで、父の申す如く彫....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
として恥かしくない気品も実際あった。 で――軒から軒の浅黄|暖簾や、紅ン殻色の出格子のうちから、 「そこへ行く、美い男さま」 「おすましの編笠さん」 「ちょっ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
すともいえるほどな繁昌さである。 すぐ近くに、汐のさす黒い堀が通っているので、出格子だの、紅燈の下だのには、よく見ると、船虫や河蟹がぞろぞろ這っていて、それが....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
り戻って行った。 店と聞いていたが、暖簾も看板も懸けてはない。渋で塗った三間の出格子に、二た戸前の土蔵がつづき、その他は高塀で取り繞らしてある。入口には、蔀障....