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出獄
「出獄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出獄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
ムを掌の上に転がしては、紅い灯のつく裏街の風景などを胸に描いていた。 ところが
出獄も、もうあと三週間に迫ったという一月二十五日のこと、私の独房に、思いがけない....
「獄中記」より 著者:大杉栄
た。 ある日急に彼の姿が見えなくなった、その日の夜ある看守の手を経て、「あす仮
出獄で出る、君が出ればすぐ会いに行く」と言った紙きれを受取ったが、それっきり彼と....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
在のことはいっさい例の無意識的にあきらめて、考えても仕方のない遠い過去のことか、
出獄間近になれば出てからの将来のことなどが思い浮べられる。 現在の女房のことで....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
義弟の
出獄 烏啼天駆といえば、近頃有名になった奇賊であるが、いつも彼を刑務所へ送り込....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
末に入獄して留守でしたが、家には三四人の同志の人がいて雑誌を継続していたのです。
出獄した彼は、他にゆく処もないので、しばらく置くことにしました。 さすがのYも....
「橋」より 著者:池谷信三郎
も人殺しをしてやると、そう言っていたことを伝えてください。 問。もし何年かの後、
出獄してきて、そして街でひょっこり、彼女が仇し男の子供を連れているのに出遇ったら....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
小主公、良いお音信がござりますぜ、大旦那様もちょうどこの春、三月が満期で無事に御
出獄でござりました。こちらでも新聞がござりますなら、疾くに御存じでござりましょう....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
いのが大豆の半分ぐらい、小さいのが米粒ぐらい、中ぐらいのが小豆ぐらいある。これは
出獄の時の唯一のお土産と思って、紙に包んで大切にしてしまってある。そしてその包紙....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
まあこれで狸の正体も大抵判ったろう。狸に関係したと思いつめていた源右衛門おやじは
出獄後どうなったか、それは僕も聞いていない。」 百年前の黒手組 E君は語る。 ....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
なかった。あとで聞くと、あくる年の四月になって、刑の執行猶予を申渡されて、無事に
出獄したそうだ。裁判所の方でもいろいろの情状を酌量されたらしい。 しかし彼女は....
「終戦前後」より 著者:織田作之助
いう日を、まるで溺れるものが掴む藁のように、いや、刑務署にいる者が指折って数える
出獄日のように、私は待っていた。 人にこのことを話すと、 「八月二十日にいいこ....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
のほかに小説も書き、劇壇より文壇で有名であったが、思想運動の嫌疑で検挙され、保釈
出獄以来執筆は許されず、匿名で「演劇集団」の演出をしているのだった。食うために商....
「実感」より 著者:織田作之助
の夜、目の鋭いみすぼらしい男が投宿した。宿帳には下手糞な字で共産党員と書き、昨日
出獄したばかりだからとわざと服装の言訳して、ベラベラとマルキシズムを喋ったが、十....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
三升は九代目市川団十郎を襲名して座主となる。時に三十六歳。 ○九月、嵐璃鶴は満期
出獄して団十郎の門下となり、市川権十郎と改名して河原崎座に出勤す。 ○一月、守田....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
は友人の三宅正一、稲村隆一の両君が活躍していることを思い、いても立ってもおられず
出獄したら、すぐその足で新潟に行き応援しようと心に決め、獄房の中で小さな声でアジ....