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出番
「出番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
みあ》う群集《ぐんじゅ》を視《なが》めて控える……口上言《こうじょういい》がその
出番に、 「太夫《たゆう》いの、太夫いの。」と呼ぶと、駕籠の中で、しゃっきりと天....
「正坊とクロ」より 著者:新美南吉
て、シュッシュッとむちをならしながら、おりのそばへいきました。 「さあ、クロ公、
出番《でばん》だ。しっかりたのむよ」 と、わらいながらとびらをあけましたが、どう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んだ時化《しけ》を食ったな」 「まったく飛んだ時化を食いました。あの日はわっしの
出番でしたが、千太がおれに代らせてくれと云って、自分が出て行くと、あの始末。お蔭....
「高台寺」より 著者:宮本百合子
で知らない顔に挾まれ、里栄が一人おとなしく踊っている。 昼間、里栄が、 「今日
出番どすさかい、是非来とおくれやっしゃ」 と云った。桃龍も居合わせ、 「きっとど....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
の四日間は朝八時から四時までにまわる。もう一度休みを挾んで、四時から十二時までの
出番になって、その順でグルグルまわるんだ。 二 白っぽい樺板の....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
。後から後からと無数の信者が、出入り口からはいって来た。みんな得物を持っていた。
出番の来るのを待っていた。まさに稲麻竹葦であった。葉之助よ! どうするつもりだ※....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
女史と聞えたは、浅草の牛肉屋の娘で――御新客、鍋で御酒――帳場ばかりか、立込むと
出番をする。緋鹿子の襷掛けで、二の腕まで露呈に白い、いささかも黒人らしくなかった....
「兜」より 著者:岡本綺堂
に紛失したのである。それは小春日和のうららかに晴れた日の午すぎで、当主の勘次郎は
出番の日に当っているので朝から留守であった。隠居の勘十郎も牛込辺の親類をたずねて....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
人が叫んだ。 小沢は平然として、物凄く速い口調で喋り立てた。 「なるほど、僕は
出番をまちがえて、他の役者の出る幕の舞台へ飛び出した間抜け役者かも知れない。しか....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
の糧《かて》となった。 これあるかな。 自分ながらうれしくて小圓太は、自分の
出番以外は日を夜に継いで、いろいろさまざまの人たちの高座を聴いて歩いた。 「小圓....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
いう白羽の矢が、突如この私に立ったのである。金語楼君はその時南も北も私よりは遅い
出番で、どちらの寄席も私の直前にはのちの五代目松鶴君(その頃枝鶴)が登場し、まく....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
てて、高座の傍から、楽屋へはいって行った。 右端の一段高いところが、芸人たちが
出番を待つ部屋になっていて、取っつきに、裸蝋燭が一本とろとろ燃えていた。それにつ....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
ってしまった。その事を知らせたいと思って今まで君江の来るのを待っていたが、三時の
出番にも姿が見えないので、最初に肴屋へ呼出しの電話をかけ、おばさんの返事から推量....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
たのだ。そう思い込むと、ぼくは急に顔が赤くなった。言葉に窮した。誇張して言うと、
出番を間違えて舞台に登場した役者の様な間の悪さだった。だが今から考えると、ぼくは....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
拭をふきながしに被ったところはどう見ても替玉とは思えなかった。 いよいよ鷺娘の
出番になった。昨日散々小言を食った百合子が今日はどんな風にやるかと、同情半分好奇....