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出目
「出目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出目の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
《み》て取った。 「それはなかなか古いものでございます。作は判りませんが、やはり
出目《でめ》あたりの筋でございましょうかと存じます」 「
出目ではない」と、男はひ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
に飼われてある美術品の金魚の種類を大体知った。蘭鋳、和蘭獅子頭はもちろんとして、
出目蘭鋳、頂点眼、秋錦、朱文錦、全蘭子、キャリコ、東錦、――それに十八世紀、ワシ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
古びた面箱でした。 「これはさるお旗本のお屋敷から出ましたもので、箱書には大野|
出目の作とございます。出どころが確かでございますから、品はお堅いと存じますが……....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
男工も寄ってきた。 ――そんな事すると、伝明さんが泣くとよ。 ――そうかい、
出目でなけァ駄目とは恐ろしく物好きな女だな? 皆が吹き出した。 田中絹代がビ....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
なんてのはもっとも気がきかない。平凡きわまる。また、眼鏡をかけている助手さんは、
出目金とでもいうようなところなのに、遠慮して、キントト。痩せているから、うるめ。....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
ん》の容体を懸念する前に、彼の前にいる門田与太郎をまともにのぞきこんだのである。
出目やそっ歯や、ひろくもない額に年より早い横じわの見える門田与太郎の顔は、それは....
「高台寺」より 著者:宮本百合子
花を連想させた。 「なあ、ヘェ、あてらうちにこんなん五匹いるわ」 それは普通の
出目金で、真黒なのが、自分の黒さに間誤付いたように間を元気に動き廻っている。揺れ....
「道標」より 著者:宮本百合子
「ね、フランスは、自分の金を輸出資本にしているだけじゃないのよ。『表現力』も輸
出目録にかきだされているんだわ。パリは、表現というものの国際市場よ、そう思わない....
「マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
聞くんだ。お前より、年も上だし、役目も上なんだから……」 古参ぶったサーシャは
出目を突出して、云うのであった。 「祖父さんの云ったことを忘れちゃ駄目だよ」 ....
「錦木」より 著者:宮本百合子
て気がついて居りましたでしょう」 「中びらな御かおで」 「お歯がらんぐいで」 「
出目で」 「毛がおうすくて」 「お色がくろくて」 と別々な声で云って崩れる様に笑....
「黒点」より 著者:豊島与志雄
顔を、私は父の腋の下から覗いた。いつも落凹んだ恐い眼付だったが、その時は、金魚の
出目を思わせるように、閉じた眼瞼が円くふくらんでいた。口が半ば開いていた。小鼻が....
「黒い手帳」より 著者:久生十蘭
ペア》……後目《パツス》……」などと一週間も前に出たモンテ・カルロのルウレットの
出目を読みあげていたが、頃合のところで方式どおりに「|張り方それまで《リャン・ヌ....
「日記」より 著者:宮本百合子
て来た。小此木先生のところで富沢先生に会う。話によれば関先生は結婚して家をもたれ
出目金だなんかと云って居た久保田先生も副牧師とかになって地方へ行ったそうである。....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
なくて、ただ気に入ったのを喜ぶのでした。また木彫のお福の面がありました。それには
出目右満とありました。右満は天下一ともいわれたのですから、真物などやたらに手には....