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出直
「出直〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出直の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
ので、今度はなる可く気軽な調子で、
「今日《きょう》は?――御帰りですか。」と、
出直して見た。
「ちょいと兄の所まで――国許《くにもと》の兄が出て参りましたから....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ますが、まさにその通りであります。われらは、この際、吉田内閣は総辞職し、自由党は
出直すべきときであると考えるのであります。ここに、吉田内閣退陣を強く要求いたしま....
「或る女」より 著者:有島武郎
ないか……静かに考えてもみろ、ばかが……恥さらしなまねをしやがって……顔を洗って
出直して来い」
そういって倉地は捨てるように葉子を寝床の上にどんとほうり投げた....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
臭《きくさ》った。来年からは魂を入れかえろ。そして辞儀の一つもする事を覚えてから
出直すなら
出直して来い。馬鹿」
そして部屋をゆするような高笑《たかわらい》が聞....
「活人形」より 著者:泉鏡花
汽車にはまだ時間あり。一度病院へ取って返して、病人本間の様子を見舞い、身支度して
出直さんと本郷に帰りけるに、早警官等は引取りつ。泰助は医師に逢いて、予後の療治を....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
も。」 屋根の雪がずるずると、窓下へ、どしんと響く。 弦光は坐り直して、 「
出直しだ、
出直しだ。この上はただ、偏に上杉さんに頼むんだ。……と云って俺も若いも....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
込んだ学生を対手に、そのまた金歯の目立つ事。 内へ帰ると、お蔦はお蔦で、その晩
出直して、今度は自分が売卜の前へ立つと、この縁はきっと結ばる、と易が出たので、大....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
きに、ちょっきり結びの紺兵児の出尻で、頭から半身また幕へ潜ったが、すぐに摺抜けて
出直したのを見れば、うどん、当り屋とのたくらせた穴だらけの古行燈を提げて出て、筵....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
刻の爺さんが同じ処で、まだ熟と南天燭の枝ぶりを見ていた事です。――一度宿へ帰って
出直そうとそこまで引返したのですが、考えました。そちこち午すぎだ、帰れば都合で膳....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
かけまわ》る。 と祖母《としより》が軒先から引返して、番傘《ばんがさ》を持って
出直《でなお》す時、 「あのう、台所の燈《あかり》を消しといてくらっしゃいよ、の....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
姿でゾッとする。―― 「河、原、と書くんだ、河原千平。」 やがて、帳面を持って
出直した時、若いものは、軸で、ちょっと耳を掻いて、へへへ、と笑った。 「貴客、ほ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
今日は止したの。 深川からじゃ大廻りでね、内の前を二度通るようなもんですもの、
出直しましょうと思って。 でも車だから、かえりはぶらぶら歩行にして、行って見よ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
の一頃は無住であった――その庫裡に引取って、炉に焚火をして、弁当を使ったあとで、
出直して、降積った雪の森に襲い入ると、段々に奥深く、やがて向うに青い水が顕われた....
「多神教」より 著者:泉鏡花
禰宜 立とう。 神職 許す許さんはその上じゃ。身は――思う旨がある。一度社宅から
出直す。棚村は、身ととも参れ。――村の人も婦を連れて、引立てて―― 村人ら、かつ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ったが、古畳で暑くるしい、せめてのおもてなしと、竹のずんど切の花活を持って、庭へ
出直すと台所の前あたり、井戸があって、撥釣瓶の、釣瓶が、虚空へ飛んで猿のように撥....