出直し[語句情報] »
出直し
「出直し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出直しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
ので、今度はなる可く気軽な調子で、
「今日《きょう》は?――御帰りですか。」と、
出直して見た。
「ちょいと兄の所まで――国許《くにもと》の兄が出て参りましたから....
「或る女」より 著者:有島武郎
ないか……静かに考えてもみろ、ばかが……恥さらしなまねをしやがって……顔を洗って
出直して来い」
そういって倉地は捨てるように葉子を寝床の上にどんとほうり投げた....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
》った。来年からは魂を入れかえろ。そして辞儀の一つもする事を覚えてから出直すなら
出直して来い。馬鹿」
そして部屋をゆするような高笑《たかわらい》が聞こえた。仁....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
込んだ学生を対手に、そのまた金歯の目立つ事。 内へ帰ると、お蔦はお蔦で、その晩
出直して、今度は自分が売卜の前へ立つと、この縁はきっと結ばる、と易が出たので、大....
「妖術」より 著者:泉鏡花
の処を待兼ねて、ちと早めに出た処、いささか懐中に心得あり。 一旦家へ帰ってから
出直してもよし、直ぐに出掛けても怪しゅうはあらず、またと……誰か誘おうかなどと、....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
の空に独りぼっちの寂しさをおぼえた。僕は、出発の当時、井筒屋の主人に、すぐ、僕が
出直して来なければ、電報で送金すると言っておいたのだ。 先刻から、正ちゃんもい....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
失せたという――その話をする気であったが、……まだ外に、月が聞くと言わるるから、
出直して、別の談話をする気になった。お聞きなさい。これは現在|一昨年の夏―― 一....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
きに、ちょっきり結びの紺兵児の出尻で、頭から半身また幕へ潜ったが、すぐに摺抜けて
出直したのを見れば、うどん、当り屋とのたくらせた穴だらけの古行燈を提げて出て、筵....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
姿でゾッとする。―― 「河、原、と書くんだ、河原千平。」 やがて、帳面を持って
出直した時、若いものは、軸で、ちょっと耳を掻いて、へへへ、と笑った。 「貴客、ほ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
の一頃は無住であった――その庫裡に引取って、炉に焚火をして、弁当を使ったあとで、
出直して、降積った雪の森に襲い入ると、段々に奥深く、やがて向うに青い水が顕われた....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
も。」 屋根の雪がずるずると、窓下へ、どしんと響く。 弦光は坐り直して、 「
出直しだ、
出直しだ。この上はただ、偏に上杉さんに頼むんだ。……と云って俺も若いも....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
て考えていましたが、開き直ったという形で、 「篠田、色々話はあるが、何も彼も明日
出直して来よう、それまでまあ君心を鎮めて待ってくれ。それじゃ託り物を渡したぜ。」....
「雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
思います。低級な雑誌の口絵を模写したり、人の足跡を追っているようでは寧ろ初めから
出直したがいいと思います。しかして現代の婦人画家は模倣性が強くて少しも自己に資料....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
今日は止したの。 深川からじゃ大廻りでね、内の前を二度通るようなもんですもの、
出直しましょうと思って。 でも車だから、かえりはぶらぶら歩行にして、行って見よ....
「迷信解」より 著者:井上円了
のはなはだしきものは、家を出でて途中、葬式に会すれば不吉なりとて自宅へ戻り、再び
出直し、あるいは烏の鳴き声が悪いとて早く家に帰り、不吉の日に外に出でたるときは、....