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「出稼ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出稼ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
丸部家から買い取ったのは、其の家に奉公して居た輪田お紺と云う老女だ、何でも濠洲へ出稼ぎして居る自分の弟が死んで遺身《かたみ》として大金を送って来たと云う事で、其....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あった。方々の寺内で縁日の小屋掛け興行に出たこともあった。近在や近国の祭礼などに出稼ぎに行ったこともあった。本職の芸当はなかなか上手であったが、かれはいろいろの....
「紋」」より 著者:黒島伝治
りくの家には風呂がなかった。地主の家や、近所で入れて貰っていた。で、向いの本土へ出稼ぎに行っている息子が時々帰ると、その土産物を御礼のつもりで心して持って行って....
蠅男」より 著者:海野十三
がしてあった。それによると、死刑囚糊本は南洋で案内人を業としているうち、日本から出稼ぎできていた西山某なる商人の所持金を奪うため、海岸の人気のないところで棍棒を....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
その男は冬の間はゴム靴会社の職工だった。春になり仕事が無くなると、カムサツカへ出稼ぎに出た。どっちの仕事も「季節労働」なので、(北海道の仕事は殆んどそれだった....
天馬」より 著者:金史良
頃は芸術分野の会にまでのさばり出るなど内地人の玄竜ともいうべき存在だった。朝鮮に出稼ぎ根性で渡って来た一部の学者輩の通弊の如く、彼も亦口では内鮮同仁(日本帝国主....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
こてちゃん一件に取りかかった。 こてちゃんの小鉄は十九の年に本国からこの土地へ出稼ぎに来て、去年の夏であしかけ三年目であった。小鉄の身許をよく知っている者はな....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
かねばならぬ。それは安子という貧しい養鶏屋の娘であった。 彼女は父親がハワイに出稼ぎに行ってる間に産れた子で、あちらで育ったので英語が話せた。父親はずっと若い....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
ない。そこらの曖昧茶屋に巣くっている酌婦のたぐいよりも醜い。天草あたりから外国へ出稼ぎする女たちよりも更に醜い。くどくも言う通り、主人も奉公人もみな正直で行儀の....
雪女」より 著者:岡本綺堂
歓待したのは子細のあることで、彼は男女三人の子供をもっているが、長男は営口の方へ出稼ぎに行って、それから更に上海へ移って外国人の店に雇われている。次男は奉天へ行....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
。……その頃には、七尾から山|越で。輪島からは海の上を、追立てられ、漕流されて、出稼ぎの売色に出る事。中にも船で漂うのは、あわれに悲く、浅ましい……身の丈夫で売....
不在地主」より 著者:小林多喜二
いたって間に合わなくなってしまう。追ッ付くものでない。――北海道では何処だって、出稼ぎは別にして、冬の内職などするものがなくなってしまっているではないか。 百....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
で、時によると八千五百人あるいは九千人になることもある。ただし夏など僧侶が地方へ出稼ぎに行った時分には六千人位に減ることがあるが、とにかくなかなか盛んなもので、....
性に関するアイヌの習俗」より 著者:河野広道
植物の煮汁によってへきえきして退散する有様を述べた昔噺である。 「我は部下と共に出稼ぎに出て、ぬば玉の闇の夜に、人間の村の、村の下手に船を着けた。我一人村の中央....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
満州国不安の一大原因となっているのは深く反省せねばならぬ。他民族の心理は内地から出稼ぎに来た人々に簡単に理解せられない。警官には他民族の観察はほとんど不可能であ....