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出立ち
「出立ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出立ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死後」より 著者:正岡子規
野路を北向いてスタスタと行っておる。其人等は皆|脚袢《きゃはん》草鞋《わらじ》の
出立ちでもとより荷物なんどはすこしも持っていない。一面の田は稲の穂が少し黄ばんで....
「源氏物語」より 著者:紫式部
車が寄せられて、内大臣家、大将家のために尚侍の退出に従って行こうとする人たちが、
出立ちを待ち遠しがり、大将自身もむつかしい顔をしながら、人々へ指図をするふうにし....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
もする力をもっているのに気付かないとは何とうかつでしょう!
島田では隆ちゃんの
出立ちが迫っていて、さぞおとりこみでしょう、この間お母さんからスタンドや何かのお....
「蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
、人おおき所、或は道の長手をあゆみては、必ず気のぼりてくるしき病あれば、従駕にぞ
出立ちはべらぬぞいと憂けれ」と云うのを無理に伴れて往った。そして、何某の院に往き....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
一二人余計連れてまいる事もございます。其の昔、駕籠訴をいたします者は何れも身軽に
出立ちまして、お駕籠脇の隙を窺い、右の手に願書を捧げ、左手でお駕籠に縋るのでござ....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
」と隙かして見た。 黒頭巾で顔を包んでい、黒の衣装を纏っている。いわゆる黒鴨|
出立ちであった。体のこなし、声の調子、どうでも年は三十七八、そういう武士が立って....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
月何日に根岸庵を出て木曾路を取ることに極めた。古びた洋服に菅笠、草鞋、脚絆という
出立ち。居士が菅笠に認めくれたる送別の句、 馬で行け和田塩尻の五月雨 子規 ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
謂ったり(北飛騨から能登)、袴だけをデンタツという処もあるが(秋田県)、元来は「
出立ち」だから、仕事着の全体を一括していうのが正しいのである。我々のデタチすなわ....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
れる物ならば半分ずつ両端につけて、まんなかをかたげているのが、作男や小百姓の常の
出立ちであったともいわれている。ところが、いつの間にかそれもまた変って、他の地方....