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出立点
「出立点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出立点の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
言われて野猪腹を立て一生懸命に駈け戻ると守宮素捷くその鬣に取り付きおり、今一足で
出立点と言うときたちまち野猪の前へ躍び下りる、かくすること数多回一度も野猪の勝と....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
えんえき》してくるんだろう」 「うん」 「まさか根本に立ち返って、あなたの御考は
出立点が間違っていますと誤謬《ごびゅう》を指摘する訳にも行かず……」 「そりゃ、....
「こころ」より 著者:夏目漱石
した。しかし人間らしくない意味をKに納得させるためにその言葉を使い出した私には、
出立点《しゅったつてん》がすでに反抗的でしたから、それを反省するような余裕はあり....
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
道徳はこれに由りて成立するのである。 第二編 実 在 第一章 考究の
出立点 世界はこのようなもの、人生はこのようなものという哲学的世界観および人生....
「絶対矛盾的自己同一」より 著者:西田幾多郎
的社会的立場に制約せられていなければならない。 【#ここより3字下げ】 哲学の
出立点については多くの議論があることであろう。我国の今日まででは、大体において認....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
小舎の前の深潭は、浅瀬に変って、水の色も、いやに白っちゃけてしまった。 ここを
出立点として、改めて稿を次ぐ。 川楊(大井川の上流) 前夜は、東俣の谷....
「デカルト哲学について」より 著者:西田幾多郎
べての問題を考えるという如きことは顧みられなくなった。今日、人は実践ということを
出立点と考える。実践と離れた実在というものはない。単に考えられたものは実在ではな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
察し、次に、その噸数《トンすう》を計量し、次に乗組の人員、その国籍、機関の種類、
出立点、行先、速力等を計算推量して、ついにほぼあやまりなく一つの結論に到達するに....
「偶像に就ての雑感」より 著者:豊島与志雄
しもトルストイの到着した結論に賛するものではない。唯私が茲に言いたいことは、その
出立点に在る。この赤裸々の出立を経て、初めて吾々は自分のうちに背っているものをは....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
いのだ。その方法さえ誤らなければ、同時にそれを実行するだけの実力を備えていれば、
出立点からして間違っていた結婚をただ単に継続することによって生きながら死者の生活....
「それから」より 著者:夏目漱石
かつ》て父を矛盾の極端まで追い詰めた事がなかった。 代助は凡《すべ》ての道徳の
出立点《しゅったつてん》は社会的事実より外にないと信じていた。始めから頭の中に硬....