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出端
「出端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出端の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
」
新「お園どん」
と呼合いまする。新五郎は二十一歳で、誠に何《ど》うも水の
出端《でばな》でございます。又お園は柔和な好《よ》い女、
新「あゝいう女を女房....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
たその当事者同士である菊路と京弥なる者が、両々いずれも二十《はたち》前と言う水の
出端《でばな》でしたから、その甘やかなること全く言語道断沙汰の限りで、現にこの第....
「縮図」より 著者:徳田秋声
車と並んで、今人足のめまぐるしい銀座の大通りを突っ切ろうとして、しばしこの通りの
出端に立往生しているのが目についた。そしてそれが行きすぎる間もなく、また他の一台....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
眼に見えるようだ。眼に見えるようなは其而已でなく、其時ふッと気が付くと、森の殆ど
出端の蓊鬱と生茂った山査子の中に、居るわい、敵が。大きな食肥た奴であった。俺は痩....
「若菜のうち」より 著者:泉鏡花
消える。これも夜中には幽霊じみて、旅人を怯かそう。――夜泣松というのが丘下の山の
出端に、黙った烏のように羽を重ねた。 「大分|上ったな。」 「帰りますか。」 「....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
込みましたわ。一ふさり臥って、柱のように根を持って、赫と燃えます。その灯で、早や
出端に立って出かかった先生方、左右の形は、天幕がそのままの巌石で、言わねえ事じゃ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
でさらりと分けて、雪に紛う鷺が一羽、人を払う言伝がありそうに、すらりと立って歩む
出端を、ああ、ああ、ああ、こんな日に限って、ふと仰がるる、那須嶽連山の嶺に、たち....
「死者の書」より 著者:折口信夫
来た。息をきらしている。 ふん。汝は聞き出したね。南家の嬢子は、どうなった――。
出端に油かけられた資人は、表情に隠さず心の中を表した此頃の人の、自由な咄し方で、....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、 「は、」 「ここは、どこでございます。」 「ここですか、ここは、一つ目の浜を
出端れた、崖下の突端の処ですが、」 「もう、夜があけましたのでございますか。」 ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
で、現在、朝湯の前でも乳のほてり、胸のときめきを幹でおさえて、手を遠見に翳すと、
出端のあし許の危さに、片手をその松の枝にすがった、浮腰を、朝風が美しく吹靡かした....
「伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
た。 男女の姿を見失っても、彼は何かを追い廻して居た。彼がチア公園の落葉の森を
出端れて街の太陽の光の中に出た時、彼の古マントの袖は破れ、下駄の緒は切れ、木の根....
「競馬」より 著者:犬田卯
なものだった。 ――十倍にして返さい! 畜生、けちけちしやがるねえ! 彼は村を
出端れて野の向うに町のいらかがきらきらと春の日光を受けてかがやいているのを眺める....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
は、もう夢中だったんですわね。…… ついでに、あちらを御覧なさいまし。あの山の
出端に一組、いま毛氈を畳み掛けているのがありましょう――ああ一人酔っている。ふら....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
地図にも載っていませんから、ここが何というところかわかりませんが、いよいよ海岸へ
出端れて来たのです。南高来郡の西端、千々岩湾の海岸へ、抜けることができたのです。....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
真実のところを味わえば、あくまでお慈悲の深いのが五臓六腑に浸み透って未練な愚痴の
出端もないわけ、争う二人をどちらにも傷つかぬよう捌きたまい、末の末までともによか....