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出納
「出納〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出納の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
その男――北山正雄は大阪のある銀行の下級行員であった。商業学校の夜間部を出ると、
出納係に雇われたが、間もなく応召し、五年の後復員して来たが、その五年の歳月はこの....
「宝蔵の短刀」より 著者:田中貢太郎
ん》せられ、その罪名は何であったか判らないが、敷物方と云うから何か己《じぶん》の
出納していた職務のうえからであろう、とうとう切腹を命ぜられてその家財は皆没収せら....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
がした。 「次は五官でございます。……眉が保寿官、眼が監察官、鼻梁が審弁官、口が
出納官、そうして耳が採聴官。……これを変えることに致しましょう」 何か刃物でも....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
あるときデトロイトの銀行で、持って来た小切手の支払を受けようとしたことがあった。
出納係の若い男は、小切手から離した眼を、窓の外に立っている男に移して、じろじろと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
業はどうやら思うようにゆくが、お絹の目算は外《はず》れ、肝腎《かんじん》の金銭の
出納《すいとう》、収支の自由は忠作が一手に握ってしまって、一分一朱も帳面が固く、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
く低く言った。
彼はもう考えようとしなかった。テーブルにすわった。彼女は一冊の
出納簿から、赤の方罫《ほうけい》がついてる紙を一枚裂き取った。
彼は書いた。
....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
縛に乗じてパリーにやってき、偽署をしてラフィット銀行から――この事実はその銀行の
出納係から直接に聞いたことだ――マドレーヌ氏のものである五十万以上の金額を引き出....
「穴」より 著者:黒島伝治
関係する重大なこと柄だった。 兵卒は、初年兵の時、財布に持っている金額と、金銭
出納簿(入営するとそれを記入することを云いつけられる。)の帳尻とが合っているかど....
「公開書架(Open-shelf-system)につきて」より 著者:佐野友三郎
は、これがために図書利用の効果を一層確実に収むることを得、図書館は、管理の困難、
出納の手数を減じ、経費節約の好果を収め得たりというに帰着し、しかも、これがために....
「米国巡回文庫起源及び発達」より 著者:佐野友三郎
す。各組合には、駐在所を設け、中央部との交渉通信のために書記一名と、文庫の保管並
出納のために司書一名とを置くの仕組なり。 五、同州中にて、無料巡回文庫の貸付を....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
て日本新聞社から依頼されていた事を黄塔君はすべて余に一任した。余は病床日誌と金銭
出納簿とを拵えて、それに俳句を書くような大きなぞんざいな字で、咯血の度数や小遣の....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
いであった。 提調というは監督の下に総教習と聯び立つ学堂事務の総轄者であった。
出納庶務から人事の一切を綜べ、学堂の機密にも参じ外部の交渉にも当って、あたかも大....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
から、私もそれについては〔数字上〕説明することが出来ない。けれどもどういう具合に
出納が出来て居るか、またどういう方面から税が納まって来るか、どこへ支出されるとい....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
書館を入覧す。蔵書二十四万冊ありという。借覧料を要せず、入場者をして勝手に書籍の
出納をなさしむ。すべて州立、公立にかかるものは、一切入場料を徴集せず。議院、病院....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
部屋。かれ自身の寝室であり、また地所の事務室でもある。窓べの大テーブルに、数冊の
出納簿やいろんな書類が載っている。事務机、戸棚、台秤など。ほかにアーストロフ用の....