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「出色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
秋山図」より 著者:芥川竜之介
は見ておおきなさい。夏山図《かざんず》や浮嵐図《ふらんず》に比べると、また一段と出色《しゅっしょく》の作です。おそらくは大癡《たいち》老人の諸本の中でも、白眉《....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
です、この筆力の遒勁《しゅうけい》なことは。容斎は豪《えら》いです。国芳の石枕も出色な出来ですが、こうして並べて見ると格段の違いがありますね」 ちょうど、延宝....
科学の常識のため」より 著者:宮本百合子
ック・ロンドンの「野生の呼声」や「ホワイト・ファング」は犬や狼を描いた文学作品の出色のものであるし、キプリングの「ジャングル・ブック」(岩波文庫)もなかなか豊か....
認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
な社会意識乃至政治意識との、連関ではないかと思う。『悪霊』はそういう点から見ても出色の作品でなければならぬ。 心理の連鎖のどこかに横たわっている虚偽の原因を説....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
男が結成した憲法学説検討会とかいう会が、金森局長を出版法違反で告発したなど、最も出色のある活動に数えることが出来るだろう。 私は曾て述べたことがあるが、機関説....
村の三代」より 著者:宮本百合子
帝の東北御巡幸のとき久留米開墾の爺さんが、何の珍らしいものもないが、これは近来の出色の物産として三尺ばかりの大根を一本三宝にのせて御覧に入れた。そして、おほめの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が即ち公卿の身上と見てかかると、岩倉三位に於て失敗する、当時、堂上お公卿さんにも出色の人物は多いが、岩倉三位に比べると同日の談ではない、江戸に依存せずとも、薩長....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
洋嫌いであった。しかるに君侯は盛んに洋式調練を奨励されたので、一時我が藩の銃隊は出色のものになった。服装は、尻割羽織を着、大小を差したままで筒を持った。身分ある....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
商にして家産今|漸《ようや》くかたぶき、身に思うこと重なるころとはいえ、文学界中出色の文士、年齢は一の年少にして廿三とか聞けり。今の間に高等学校、大学校越ゆれば....
生前身後の事」より 著者:中里介山
に耳を傾けたのである。 一体、沢田君はどういう芸風の人か、今まで何をやったのが出色か、というと松井須磨子のサロメにヨカナンを演《や》ったことがあるというような....
“歌笑”文化」より 著者:坂口安吾
以来漫談から芝居、映画に転じ、現在ではラジオの第一人者でもあり、文章においても、出色の存在だ。あらゆる点で日本の芸人の第一流の存在であるが、これにくらべると、金....
自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
犯罪秘記の中でも、こうした小さな物語を書く上から云って、この事件は一段と際立った出色の点があると思われるのである。 一八九五年の私の記録を開いてみると、私たち....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
作は養老の孝子でありましたが、地方からの出品としては、この作と、米原氏の軍鶏とが出色でした(いずれも三等賞を得た)。私は審査員として山崎氏の作を見た時、なかなか....
日本男子論」より 著者:福沢諭吉
あらず。その智識聞見は、あるいは西洋流の文明に近き人あるも、徳教の一段に至り特に出色の美なきは、我輩の遺憾に堪えざる所なり。文明の士人|心匠《しんしょう》巧みに....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
鳥羽院が隠岐へ遷幸の際、特にお姿を描かしめられたのはこの信実であった。歌の方でも出色の歌人だった。定家の近親はみな歌よみであった。父俊成のところへは、俊恵や西行....