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「出費〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出費の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
デカダン抗議」より 著者:太宰治
りをしていなければ、ならぬのである。私は、こっそり帳場へ行って、このたびの祝宴の出費について、一切を記して在る筈《はず》の帳簿をしらべた。帳場の叔父さんの真面目....
花火」より 著者:太宰治
「新宿駅で待ってるよ。」 「はい。すぐ行きます。」やっぱり出掛ける。 勝治の出費は、かさむばかりである。ついには、女中の松やの貯金まで強奪するようにさえなっ....
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
れ何とかいう本を、著者の友人である課長のきもいりで買わされるとかで、かなり多額の出費をしていたからである。そんなわけで、集まった醵金《きょきん》は実に瑣々《ささ....
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
屈じゃ。こういうことは前例通りにしないと、とかく間違いができる」 「しかし、年々出費がかさむようで……」 「仕方がないではないか。諸式が年々に上るのだから、去年....
大島が出来る話」より 著者:菊池寛
は出来なかった。殊に、妊娠をして居る彼の妻の産期が、近づいて来るに従って、色々な出費が嵩《かさ》み、大島を買う事をあれほど強く主張した妻も、もう諦《あきら》めて....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
た。 また一年経った。一年の月日が経つうちに、里人たちは、いつかしら目先の遠い出費を、悔い始めていた。 寄進の人夫は、いつの間にか、一人減り二人減って、おし....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
るならわしでござったのじゃ。なれども、なまじ高家なぞという格式あるため、年々費用出費はかさむばかり。そのため、ふとした心の迷いから、ご貴品と知りつつ、つい金に窮....
新ハムレット」より 著者:太宰治
坐ってもらうためであります。学友は、その二人だけで充分です。不要の交友は、不要の出費。さて、次は、金銭に就いて。これは、とりわけ注意を要する。金銭の貸借、一切、....
黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
を必要とする土地と言えば、あの黒い浮島だけだった。当然、森山が一人でその材料費を出費して、僅か三四軒の小作人が、その労力を供給しなければならないのだった。 「旦....
貞操問答」より 著者:菊池寛
。」 「なぜって、僕は今まで、あまり道楽のない男だったんですから、月々ある程度の出費は、何とも思いませんし、貴女のお姉さんを後援するなんて、僕にとっては嬉しいこ....
可愛い女」より 著者:神西清
二人は楽しく暮していた。彼女は良人の帳場に坐って、園内の取締りに目をくばったり、出費を帳面にひかえたり、給料を渡したりするのだったが、彼女の薔薇色の頬や、愛くる....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の後援者たる田舎ものの財布に負担をかけるとなると、彼らはとかく教育費はたいへんな出費だと考えたり、先生は単なる穀つぶしだと思ったりしがちだから、そうならないよう....
」より 著者:犬田卯
てやったり、どんな些細なお上の金でも呉れようというものは貰ったが、その代り村内の出費もこの瘤が村長になるや否や前述のように倍加した。それというのは、村の有志や村....
」より 著者:犬田卯
ことがおせきの眼にとまったこともあり、金銭上のことでも母と夫との間に、時々共通の出費があるのを発見したこともあった。 そんな事情で、おせきは浩平との口争いのと....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
これも放っておけば、ひとりでに大満足に値する解決に辿りつくだろう。戦争は、合戦も出費もなしに宙にさまよっている。本当は、戦争ならざる戦争なのだった。――正確に、....