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出過ぎ
「出過ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出過ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
理想であると見られぬことはない。普通な人間の親父なる彼が境涯を哀れに思うなどは、
出過ぎた料簡《りょうけん》じゃあるまいか。まずまず寝ることだと、予は雨戸を閉めよ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、と云ったそうだ。不服も不賛成もあったものか。人間並の事を云うな。畜生の分際で、
出過ぎた奴だ。 第一、汝のような間違った料簡で、先生の心が解るのかよ! お前は....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私は神を知らない。神を知らないものが神と人との関係などに対して意見を申し出るのは
出過ぎたことだといわれるかも知れない。然し宗教が社会生活の一様式として考え得られ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
はいつ死ぬとは問うても可い。が、いつ生れた、とは聞くな――とある。これは無遠慮に
出過ぎました。……お幾歳じゃと年紀は尋ねますまい。時に幾干ですか。 百合 幾干か....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
上へ両手をずかと支いて、 (三年|前から、御尊名は、片時といえども相忘れません、
出過ぎましたが、ほぼ、御訪問に預りました御用向も存じております。) と、少いの....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
げなさい。」 「はい。」 が、また娘分に仕立てられても、奉公人の謙譲があって、
出過ぎた酒場の給仕とは心得が違うし、おなじ勤めでも、芸者より一歩|退って可憐しい....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
ござれッていに。」 お通は肩を動かしぬ。 「お前、主人をどうするんだえ。ちっと
出過ぎやしないかね。」 「主人も糸瓜もあるものか、吾は、何でも重隆様のいいつけ通....
「くらげのお使い」より 著者:楠山正雄
て、逃げまわるくらげをつかまえて、まん中にひき据えて、 「このおしゃべりめ。この
出過ぎものめ。このまぬけめ。」 と口々に言いながら、めちゃめちゃにぶち据えたも....
「書記官」より 著者:川上眉山
。 黙らっしゃい。と荒々しき声はついに迸りぬ。私はもう聞く耳を持たんぞ。何だ。
出過ぎたことを。 あら父様、お怒りなすったの。綱雄さんだって悪気で言ったのでは....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
も彼はアイリスが変にいこじで意地悪な雌に見えた。彼女は、また今のワルトンを非常に
出過ぎ者で洒落臭く感じた。 ――何を失礼な、姫君に向って。 アイリスは陽の斜....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
碗大輔がドコから鉄砲を手に入れたろう。これを始めに『八犬伝』には余り頻繁に鉄砲が
出過ぎる。白井の城下で道節が上杉勢に囲まれた時も鉄砲足軽が筒を揃えて道節に迫った....
「座右第一品」より 著者:上村松園
を添えて先方へやりまして、女子の身で絵の修業の熱心なあまりとは申しながら、端無い
出過ぎたお邪魔をしまして済みませぬでした、と謝まってやりますと、改まって挨拶され....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
った、この、かげろうの姿ばかりは、独り寝すると思ったのに―― 請う、自惚にも、
出過ぎるにも、聴くことを許されよ。田舎武士は、でんぐり返って、自分が、石段を熊の....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
ことであると考えられたからである。 「おい、南のなア、メリヤス会社の煙筒から煙が
出過ぎとるぜえ」 そう言うて煤煙監視人が、火の見の上から叫ぶと、 「よ――し、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
切と同じように大切なものです。その自分のものをみんな奪って他人に与えてしまうのは
出過ぎたはなしです。そして他人から感謝をうけて好い気持ちになるなどと贅沢すぎる話....