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出面
「出面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出面の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
舎を出た柿江は、創成川っぷちで奇妙な物売に出遇《であ》った。
その町筋は車力や
出面《でめん》(労働者の地方名)や雑穀商などが、ことに夕刻は忙がしく行き来してい....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
のだ。いいという畑作物はなんでも作ってみた。副業も一通りはやってみた。土木事業の
出面にも出た。冬には木樵もやった。しかも年中南瓜と芋ばかり食っていなければならな....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
た際に出来たらしく、顱頂骨の後部に近くアングリ口を開いた打撲傷や、その他全身の露
出面に亙る夥しい擦過傷等も明かになった。 私達は協力して暫くその辺を探して見た....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
ラ笑った。 薄暗い隅の方で、袢天を着、股引をはいた、風呂敷を三角にかぶった女|
出面らしい母親が、林檎の皮をむいて、棚に腹ん這いになっている子供に食わしてやって....
「前夜」より 著者:本庄陸男
急いで片づけながら涙声を上げた。 「清二――年寄りを泣かすでねえぞ。肩身が狭くて
出面に出られんぞ。旦那はお前、旦那はな。」 「だから、よ。」 「みんな辛えぞ、み....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
そのものの内に露出している。で理論乃至科学は、他の理論乃至科学の成果のこうした露
出面(公式其の他)を、その成果から抽出することが出来、又せねばならぬ。こうやって....
「娯楽論」より 著者:戸坂潤
や弁解ではない。生活の消極的な陰や否定的な側面などではない。生活の陽当りのよい露
出面での出来事でもあり瞬間でもあるのだ。否、そうあるべきなのだ。又あり得る筈なの....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
無能の者でも顔さえ出せば三十銭から三十五銭の手当をもらえたもので、この臨時雇いを
出面取りといっていた。すなわち面さえ出せばよかったのである。当時の三十銭は今日の....
「瘤」より 著者:犬田卯
と、そいつはひとまず問題ないと仮定して(何故なら奴の缺点なんか掴もうと思えば歳入
出面とは限らず、いくらでも転っていようし、奴に反感をいだいている助役の手許にだっ....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
野農場の入口には百十七、八人の小作が、両側に並んで待っている。町へ一日、二日の「
出面」を取りに行っているものも休んで出迎えた。 暑かった。皆は何度も腰の日本手....